市から小さな畑を借りてます。
今年の夏は長くてずっと猛暑が続いたから、大根の種まきも9月中旬になってからでした。
種を撒く前に、土作りをします。苫土石灰や肥料を入れて耕します。大根はしっかり耕さないと、曲がった大根になってしまいます。
なので、深く耕す、鍬で。
私は、鍬を振り上げて思いきり大地に振り下ろす、怒りを込めて!
何度も何度も…。
そう、私は怒っているのです。あまりにもこの世でおこることが不条理で。
前から思っていました。
池袋で起きた交通事故。
自転車で横断歩道を渡っていたお母さんと小さな可愛い女の子、高齢のドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違いで亡くなってしまいました。同時に大切な家族を二人亡くされたまだ若いお父さん、涙ながらに、でも、冷静にお気持ちを伝えられました。すごい人だなぁ、でもどんなに悲しく辛いだろうか。
娘さんの動画が流されました。仕事から帰ってきたお父さんに、誕生日のプレゼントを渡します。
「えっ?これパパにくれるの?ありがとう!」
幸せな映像は、より涙を誘います。本当に気の毒で号泣してしまいました。
なぜ、こんなひどい試練を彼は受けなければならないのでしょう?
報道されるさまざまなニュース、知床遊覧船の事故、京都アニメの放火殺人、心療内科の放火殺人、ひき逃げで亡くなった事件、ストーカーによる殺人事件、車で置き去りにされ熱中症で亡くなる幼い子ども、虐待死…etc
命を奪われた人たちは、なぜそんな目に遭わなければならないのでしょう?
神様がばちをあてたのですか?
ばちをあてられるような悪いことをしたのですか?
天に還っていったたくさんの幼い、若い命、ばちをあてられるような悪いことしてません!
うちの息子だって、ただ普通の、小さな幸せを望んでいただけ。
まっ正直で、真面目で、誠実で、人に優しくて、仕事をものすごく頑張っていて、奥さんとやっと生まれた赤ちゃんをこよなく愛していたんです。何も悪いことなんかしてません!
なのに…、なぜですか?
なぜ、あんなにあっけなく死ななければならなかったのですか?
なぜ、未来を奪われなければならなかったのですか?
生まれたときにそういう運命を選んだ?
私はそうは思いません。
彼が親より先に死んでしまう人生を選ぶわけがないです。どんなに私が悲しむか知っているから。
私は…。私は、息子に幸せで、長生きする人生を送ってほしかった…。
誰にぶつけいいかわからない怒りが胸の中に渦巻いています。
時々、大声で叫びだしたいような、何かをめちゃくちゃにぶっ壊したいような、そんな怒りを感じるんです…
でも…
現実は、鍬を思いきり振り上げて、大根の種をまくために土を耕して、なんとか怒りを発散する… という至って健全、というか、生産的、というか、ちまちまとした発散方法をとっているんです
今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
心穏やかに、秋のよき一日を過ごされますように。