トートバッグ(A4・縦サイズ)と締めの御挨拶 | ReiLeatherブログ

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革に込める想い

ブログの更新が大変遅れております。
オーダーに追われている為ですが、納品済のものから順に御紹介させて頂く予定です。

今回はA4縦サイズのトートバッグです。

革はイタリアンレザー・ブルガロの赤、内装にはピッグライニング、ステッチはエスコードのベージュを使用しています。

 

御客様からの御要望でなるべく鮮やかな赤色の革を使って欲しいとの事で、栃木レザーや他のイタリアンレザーとも比較した結果、今回はブルガロを採用しました。

初めて使う革でしたが、発色が良く銀面がとても滑らかで良い革でした。

内装のピッグライニングは国産ですが、とても手触りが良く美しい豚革なので最近は好んでバッグの内装に用いています。

勿論、御客様からの御要望が有ればピッグスエード等も使用します。

制作中の画像です。

ハンドルは肩掛け出来る長さでシャキッと自立させる為、内部に色々と細工を施してあります。

それでいてシンプルな見た目を崩す事のないよう薄目に作ってあります。

 

 

 

 

胴体の結合には帯状のパーツを使いました。

このパーツは表と裏に同じパーツを貼り合わせて縫っていくのですが、表裏で寸分の違いなく位置を合わせる必要があり、このバッグの制作中、一番緊張した工程でした。計測はしていませんが、誤差はほぼゼロ、0.1mm以下だと思います。

ぴったり貼り合わせなければ内側のステッチがズレて歪んでしまう構造なのです。

そしてこのバッグの最大の特徴が底面にあります。

駒合わせ縫いという、胴体と底を斜めに貫通して縫い進める技法で作ってあります。

そしてその底面が直接接地して革が傷む事のないようにゲタを履かせてあります。

通常は見えない部分ですのでシンプルな形状のバッグにこのような遊び心的デザインを取り入れてみました。

大きめのサイズなので縫い進めるのも若干苦労しました。

最終的には立った状態で縫っておりました。

今回のバッグはほぼお任せで作らせて頂きましたが、革の選定からデザイン、バッグの構造、試作等色々と勉強になりました。

また、同じ御客様から他の御注文も頂いているので今後引き続き作成して参ります。

S様、この度は御注文頂き有難う御座いました。

 

そして本日は工房の大掃除や道具類の手入れを済ませてようやく仕事納めとなりました。

まずは漉きクズだらけの漉き機から。

一年間何のトラブルもなく一生懸命働いてくれた事に感謝しつつピカピカに磨いてワックスも掛けました。

 

このところ使いっぱなしだった菱錐、包丁とカンナもキンキンに研ぎました。

そして毎年最後のブログでは翌年に使用する万年筆のインクを紹介するのが自分の中で恒例となっています。

毎年パイロットの色雫シリーズから購入しているのですが、今回は竹林を選びました。

このシリーズのインクも8色目になりました。

買い始めたのが革細工を始めて2年目でしたから来年春には9年目となります。

独学で始め、どうやって作り、販売すれば良いのか全く分からなかった最初の頃から比べると、色々な御縁からひっきりなしに御注文して頂ける現在の状況は夢のようです。

特に今年はコロナが下火になったタイミングで色々な場所を訪れ、尊敬する方々やツイッターのフォロワーさんともお会い出来て大変多くの事を学ぶ事が出来た訳ですが、今後の作品作りにおいて非常に重要な転換点になる予感がしております。
そこで得た様々な知識や経験を自分の中で熟成・発露させるのが大変楽しみです。

来年も一つ一つの作品を丁寧に、ハンドメイドならではの尖ったデザインや構造を盛り込みつつ作って参ります。

また、3月にはアンチコロナプロジェクトの最終企画も大々的に実施する予定ですのでお楽しみにお待ち下さい。

 

本年もReiLeatherを御愛顧頂き誠に有難う御座いました。

皆様良いお年をお迎え下さい。

 

 ReiLeather 山田智之

 

 

オーダー品の納期は4~6週間程度です。

詳細はreilather@gmail.comまで御問い合わせ下さい。

 

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アンチコロナプロジェクトの発起人としても活動中です。

アンチコロナプロジェクト:@anticoronalc