第十章 永久に・・・
「お前の部屋はそのままにしてある。好きに使え」
屋敷に付く頃政宗が言う。月明かりの中2人で寄り添い歩く。
「はい。ありがとうございます。また、女中として働きます」
結が微笑む。頑張りますと言った。
「女中で良いのか?」
政宗がへぇと笑った。結は不思議そうな顔で言う。
「はい?もちろんです」
「そうか」
お前がいいならそれで良いと政宗が言う。2人で話しながら歩く時間はあっと言う間に過ぎた。
屋敷に着いた。結が部屋へと戻ろうとすると。
「それじゃ、政宗さんおやすみなさい」
政宗は手を引っ張った。結はそのまま抱かれた。政宗が耳元で囁いた。
「今日は部屋に帰すつもりはないが」
「え?、、、あ、はい、、、」
結は顔が赤く染まる。2人で政宗の部屋へ向かった。
部屋に入ると小十郎が居た。そして、満面の笑みで笑う。
「殿、お帰りで、、、おや姫。いらしてたんですね?」
小十郎は結が居るのに気づくと何もなかった様に更に言う。
「小十郎、、、お前、、、」
政宗は一瞬にして興が醒める。結はびっくりしていた。凄いタイミング、、、。まるで、2人で戻って来るの解っていたみたい、、、だと思った。
「小十郎さん、、、」
小十郎は平然と政宗の部屋でお茶でもと笑った。3人でお茶をすることになった、、、。
「なるほど。姫は元の世にもどれたのにまたこの乱世に戻って来たのですね自ら」
お茶を飲みながら話を聞き入る小十郎はうんうんと頷く。
「はい。小十郎さんも元気で良かったです」
結が笑い言うと小十郎も笑った。そして手を取り言う。
「姫。殿が意地悪したら私の所へ。いつでもお待ちしてますよ」
「、、、こ、小十郎さん、、、」
結は顔が赤くなった。政宗がすかさず割って入った。
「小十郎?お前!?」
小十郎は楽しそうに笑うとお茶を飲みきり出て行った。
「では、私はこれで。良い夜を」
振り返った小十郎は政宗を見てにっこり笑うと言う。
「小十郎!!」
政宗が叫んだ。結はあははと笑った。
「、、、政宗さんが遊ばれている、、、」
月明かりが部屋に差し込む。まだ暑い夏の中で鈴虫やコオロギがなく。静寂が訪れた。政宗がため息を付きながら言う。
「やっと静かになったな」
「はい。小十郎さん性格変わりました?」
結が不思議そうに言うと、政宗がまたため息を付いた。
「小十郎はあんな感じだ」
「そうなんですか?」
驚く結に政宗の顔が固まった。
「殿。お呼びですか」
小十郎だった。まだ部屋の側に居たらしい。
「呼んでない。早く出ていけ」
政宗が叫んだ。小十郎はあははと楽しそうに笑うと出て行った。
「はい。はい。では、おやすみなさい」
政宗はため息をまた付いた。そして結は苦笑した。
「、、、はぁ、、、油断も隙もない」
「あはは」
小十郎はロウソクの灯りを頼りに地下へと降りた。牢の前に立つ。
「小十郎。ここから早く出しなさい」
愛姫が睨んでいる、、、。
「それは出来ない相談です」
小十郎が笑う。
「なんですって」
愛姫の顔色が変わった。
「殿と貴女の婚姻は破断です。よって、私は貴女に従う道理はありません」
そう小十郎が真顔で言うと愛姫は睨み付ける。
「なっ!?」
「失礼します」
それではと小十郎は出て行った。空には月が輝く。
「明日、神社に行っても良いですか?」
床に付いた結が政宗に問う。政宗は結の髪を撫でていた。もてあそぶ。
「ああ。構わないが、なんでまた神社に?」
「鏡を持って来てしまったみたいで」
結ははずかしそうに言う。政宗は満足そうに笑った。
「鏡?こっちじゃ無かったが」
「やっぱりこちらには無かったですか、、、でも私が居た世には、、、」
不思議そうに結が言うと政宗がまた笑う。
「お前が、奉った鏡だったりしてな」
「え。えぇ!?じゃぁ私は何度も行き来したみたいじゃ、、、」
結は驚くと叫んでいた。政宗が答える。
「したのかもな」
政宗は結を眺めて言う。
「結。女中じゃなくて俺の正室になるか?」
「政宗、、、さん、、、」
顔が真っ赤になる結に政宗は囁く。
「俺が愛した姫はお前だけだが?不服か?」
「い、いえ。こちらこそ、不束者ですがよろしくおねがいします、、、」
結が言うと満足そうに政宗が笑った。
月明かりの下で花は桜色に染まった、、、。
おわり
あとがき
(仮)月下の花
最後まで駄文だった作品に
お付き合いありがとう御座いました
読んで下さった皆様に
感謝しかありません
ありがとうございます
楽しんで戴けたなら
嬉しく想います
私自身も久しぶりに小説が書けて
楽しかったです
続きも書けそうな勢いがありますが
一区切りです
本当にありがとう御座いました
2022年8月11日
令