『自・然・農・法』・・・福・岡・正・信

何もやらない、農・薬も肥・料も何も使わない農・業

自然はそれ自体で完結したシステムだ。

人が手助けしなくても、草木は葉を繁らせ、花を咲かせ、種を実らせる。

そのシステムに手を加え、人間に都合のいい結果を得ようとする人の営みが、つまりそれが農・業。

肥料を与えれば、より大きな実をつける。害虫を殺せば、よりたくさんの作物が収穫できる。人間はそのように考える。そして肥料の与え方に工夫を凝らし、害虫駆除の方法を発達させてきた。

その積み重ねの結果として、農作物は自然の産物というより、ある種の石油製品になってしまった。

現代の農・業は、大量の化・学・肥・料や農・薬を投入し、農業機械を使わなければ成り立たなくなっている。科学燃料が枯渇したら、いったいどうなるのだろう。

それは、人間の知恵や営みが、単に無駄であるというだけでなく、有害なものですらあることの、きわめて明白な実例である。