①夕食から睡眠まで3時間に口にできるものは水のみです。

脳の機能を健全に保つために睡眠の質を落とさない事が重要です。睡眠中には、記憶のメンテナンスなどの脳の掃除が行われます。こういった作業の効率は、特に眠りについてから180分の睡眠の質が関係してきます。

この180分の睡眠の質で脳の傷を修復して、アミロイドβのような余計なゴミを洗い流して脳の機能を最適化しています。

食べてすぐ寝てしまうと体の食べ物の消化活動が活発なまま脳がゆっくり休めなく、大事な180分が台無しになり、結果睡眠の質が落ちてしまいます。そのような自態を避けるためにも『眠る前の3時間は何も食べない』事が特に重要になってきます。

 

②夕食から次の日の朝食まで12時間(夕食後の3時間を含め)あける絶食は、脳に沢山のメリットがあります。例えば、細胞の自食作用(オートファジー)を促すことです。オートファジーにより細胞を構成する成分をリサイクルして細胞を再生させたりダメージを受けたタンパク質やミトコンドリアを破壊して綺麗な脳を保つことができます。『絶食』はグレリン分泌を増やし、認知機能を最適にするケトーシス促進にも役立ちます。

 

『ケト』とは、ケトーシスのケトです。

『ケトーシス』とは、体の中でケトン体が増加している状態の事です。肝臓が脂肪で分解される血中にケトン体が増えている状態です。

 

『ケトン体』とは、アセト酢・βヒドロキシ・酪酸アセトン酸の3つの物質の事をさします。これらのケトン体は、肝臓で脂肪が分解されたときに作られます。

 

このケトン体が血中に増えている状態がアルツハイマー病にならないために大事です。

ケトン体は、脳のエネルギー源になり、脳の神経細胞を成長させるなど、脳を守る作用があります。

 

脳のエネルギー源といれば、『ブドウ糖=グルコース』と言われていますが、脳はブドウ糖だけをエネルギー源にしているわけではなくブドウ糖が少ない時には、ケトン体もエネルギーとして使うことができます。

 

ケトン体のβヒドロキシ酪酸が脳の神経細胞の成長に必要なBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やしてくれます。

 

他にもケトン体はアルツハイマー病で溜まる『アミロイドβ』のを抑えてくれたり、『長寿遺伝子』を増やしたり、細胞の炎症を抑えたり脳だけでなく身体全体にも良いのです。

 

脳は体の中で一番エネルギーを消費する臓器です。

 

脳のエネルギー源であるぐりコースに変わりますので、すぐに脳の活動を高めるためには大事ですが、グルコースが常に多くあるとケトン体は使われないため脳の機能を守ったり、脳を成長させる作用は期待できません。

 

つまり軽いケトーシスな状態が認知機能には最適です。

 

『ケトーシスを促進する』ためには、①糖質を抑える②運動する③オリーブオイル・エゴマ油・亜麻仁油・アボカドなどの『不飽和脂肪酸』を取入れる④12時間以上の絶食をする。

 

このすべての方法が、血中のグルコースを減らし、肝臓からのケトン体生成を増やしていきます。

 

①糖質を抑える・・・白米・麵・パン・じゃがいも・ソフトドリンク・アルコール・お菓子・加工食品といった砂糖やでんぷん質の多い物を減らすことです。糖質を抑える事で、資質が分解され易い状況にします。

 

②適度な運動・・・大股早歩き、それ以上にもっと激しい運動も1週間に150分以上は行ってください。出来れば毎日ウォーキングなどの『有酸素運動』を20分以上して激しい筋トレのような『無酸素運動』を1日起き位に取入れるなど目安です。運動するときは、まず肝臓や筋肉のグリコーゲンという糖質から使われていきます。そのグリコーゲンを使い切った後に脂肪が燃やされてケトン体が生成されます。肝臓のグリコーゲンが使い果たされるのはウォーキング20分以上かかり、そこからやっとケトン体が作られます。筋肉のグリコーゲンは、蓄えられている筋肉の場所でのみ使われるので、筋トレなどの激しい運動で筋肉をしっかり使うことでグリコーゲンがなくなって脂肪を燃やすようになります。

 

③オリーブオイル・エゴマ油・亜麻仁油・アボカドなどの『不飽和脂肪酸』を取入れる・・・エネルギーが作られる材料が糖質から資質へと変わる時エネルギーになる資質は、質の良い資質である必要があります。痩せている方は特に糖質もなくなって脂肪もなければエネルギーが作られず細胞は機能できません。良質な資質を蓄え、それを使える体になる事が重要です。良質な資質を作る脂肪酸には、オリーブオイル・アボカドに多い『オメガ9脂肪酸』やエゴマ油・亜麻仁油・魚の油などに多い『オメガ3

脂肪酸』などがあります。(食卓に取入れ易いオリーブオイル・アボカド)

 

④12時間以上の絶食する・・・肝臓に蓄えられたグリコーゲンを減らしますので、ケトーシス促進します。

 

『(ケト)フレックス(12/3)』とは、『フレックス』=緩やかな菜食主義(flexitarian)。野菜などの植物だけでなく魚・鳥・肉なども食べる事が出来るということが『緩い』ということです。

 

野菜をしっかり食べて、タンパク源として肉・魚もきちんと食べるということがフレックスの意味です。

 

野菜は、ブロッコリー・キャベツ・ルッコラなどのアブラナ科の野菜、ケール・ほうれん草・レタスなどの葉物野菜とキノコを中心とします。反対にジャガイモやカボチャなどのでんぷん質の多い野菜は抑えます。もちろん農薬も脳に良い影響を与えません。無農薬栽培のものが望ましいです。

 

スーパーでは、多少高くても無農薬栽培や有機栽培の野菜を購入することが良いでしょう。

 

調理方法は、生で食べたり、蒸したり、茹でたりして調理したものを混ぜてください。

 

サラダは、市販のドレッシングは使わず自分でドレッシングを作るか少量の塩とオリーブオイルで味付けしたものが良いでしょう。

 

魚・卵・肉類も優秀なたんぱく源として取り入れるべきですが、質と量に注意が必要です。

 

魚の質に関しては、魚はマグロやメカジキなどの『大型の魚』、キンメダイやムツなどの『深海魚』はメチル水銀を多く持っている可能性が高いので避けるべきです。

 

イワシ・アジ・サンマ・サバなどの小型の魚を食べるようにしてください。

 

卵はストレスなく育てられた平飼い鶏の卵を、肉類も平飼いの鶏の肉や、抗生剤入りのえさではなくて自然の草を食べて、成長ホルモン剤を使われていない牛や豚の肉を選びましょう。

 

最近ではこれらの卵や肉がスーパーで見かけるようになってきました。手に入りやすくなってきていると思います。購入する際は内容表示をよく見てから購入するようにしましょう。

 

量の問題ですが、人の体重1kgあたり最低1gのタンパク質をとるようにすべきです。(例:体重50kgの人は、1日50gのタンパク質が必要です)魚・鶏・牛・豚ともに大体100gあたり20gがタンパク質ですから、魚・肉でタンパク質をとるなら『250g/日』必要です。。

 

もちろん野菜や豆類にもタンパク質は含まれています。

 

納豆7g/パック、野菜2~5g/100gです。

 

▼『ケトフレックス12/3』を実践するにあたっての注意点▼

『ケトフレックス12/3』をいきなり全部やろうとすると挫折する可能性があります。

まずは『12/3』を固めるのがポイントです。少しずつ時間を調節しながら理想の状態に近づけていきましょう。(その他にも注意が必要です。糖尿病などの持病がある場合や栄養摂取不良・食事制限などがある方は注意が必要です。糖尿病などで薬を服用される方は、薬を飲むタイミングで低血糖を起こしやすくなります。まずは絶食期間を設けず運動や糖質を抑えることから始めて頂いて薬をなくすことを目標にしてください。持病により栄養摂取障害や食事制限などがある方は治療を優先してください。治療の際にも口に入れるものは厳選していただいて絶食よりも食事の内容を整えることを優先してください。次に痩せている方ですが、痩せている方はもともとケトン体の材料となる脂肪が少ないのでケトフレックス12/3を実践することで絶対的なエネルギー不足になる可能性があります。そうなると細胞のエネルギーがなくなって細胞が働けなくなります。良質な脂肪を多めに取り入れる事とそれに合わせて糖質も食べることが必要になってきます。そして12時間の絶食の後、体に食べ物を入れる時は血糖値が急激に上がらないように注意する必要があります。絶食後は解毒水としてコップ1杯のレモン水を飲むことをおすすめしています。そして空腹時間が長いと体は食事から食べ物から余すことなくエネルギーを吸収しようとします。そこで口に入れるものにトランス脂肪酸・食品添加物・人工甘味料・農薬・水銀などの身体に不必要なものが含まれているとそれらも余すことなく吸収されてしまいます。『12(時間)/3(時間)』に慣れてきたら

食べるものも厳選していきましょう。

 

お仕事の関係やご家族の都合によってどうしても12/3が出来ない人は、食事を取る時間・回数・内容を変えて工夫することをおすすめします。

 

帰宅時間が遅い場合は、帰宅後軽めな物だけにする。

12時間の絶食時間以外の時間は空腹を感じてほしくないので血糖値を急上昇させなければコマ目に軽食を取っていただいてもかまいません。そして寝る前の食事は、できるだけ消化の良い形のものにします。野菜もタンパク質も一緒に煮込んだスープといった形が良いでしょう。工夫の仕方はいろいろありますので最適な方法を考えていきましょう。

 

食事のタイミングとその内容についての大事な考え方の『ケトフレックス12/3』ついてお伝えしました。