所有欲や独占欲という感情。

これは誰しも、多かれ少なかれ持っているものです。

自分だけのものでありたい、特定の誰かに自分だけを見てもらいたいという欲求が存在します。

しかし、時には無意識のうちに他者との関係性を考慮し、妥協や調整を行いながら折り合いをつけています。

果たしてこの世に本当に「自分だけのもの」は存在するのでしょうか。

所有欲を抱えて苦悩する人々は、しばしばそれを求めて考え込んでしまいます。

その結果、過度な束縛や物の収集癖などといった側面が現れることもあります。

もちろん、一概にそれを否定するつもりはありません。

しかしそのような状態では、自分自身や他者に息苦しさを感じることが多いでしょう。

では、最初の問いに戻りましょう。

「自分だけのもの」は果たして存在するのか。

私の結論としては、「存在する」と答えます。

ただし、それは外部にあるものではありません。

それは「自分自身の内側に存在するもの」です。

思い出、感情、思考、信念など。

これらは誰にも邪魔されず、自分の内側で育むことができるものなのです。

社会に存在するものを独占するというのは、現実的ではありません。

しかし他者の所有物を独占できないからといって、何も意味がないわけではありません。

自分自身の内側で大切なものを育むことによって、それはあなたの大きな力となるでしょう。

「自分を大切にする」ということを一言で表現すると簡単です。

ですが具体的にはどのように自分を大切にするのか、それについてはあまり議論されていないように感じます。

まずは自分の考えや感情を「他者に邪魔されないもの」として認識することから始めましょう。

外部に表現することで他者と衝突することもあるかもしれません。

それを踏まえても自分を「否定」するのではなく「省みる」ことを考えましょう。

自分自身を独占し、大切に育むことができれば何よりです。