今日はまたイスラエル記に戻ります。元々、主人の趣味以上の趣味になってしまった考古学。数年前から、イスラエル人の考古学者とKeep in Touch しております。奥様もとっても良い方で、、、お二人ともユダヤ教信者。オーソドックス、超正統派ではないけれど、しっかりユダヤ教の教えを守っています。先週会った時には、祝日前ということもあって、お誘いを受けたのですが、彼らの住まいと私たちのミュンヘン便で空港へ向かい時間の都合で丁重にお断りしました。

 



別の日、ひょんなきっかけから、美しい活動家、パレスチナ人女性と知り合いになり(おそらく20代後半)、お茶をする時間がありました。彼女はしっかりとした教育を持っており、教養も知識も豊富。エルサレム生まれ、育ちなので、イーストエルサレムパスポートしか持っていません。見せてもらったら、パスポートに“イスラエル市民ではない“という注意書きが。例えば、ガザの市民、ウェストバンクの市民など地域によってカテゴリーが異うのでまた違ったパスポートを持っているのです。

 

もう少し言えば、ウェストバンク(パレスチナ自治区)に住むパレスチナ人がそこを出て、イスラエル側に特別な許可証を持って働きにくる際、必ずイスラエル政府が設けている“チェックポイント“を通過しなければなりません。ただし、オールドタウン内に住んでいるイスラエル人は別ですが、とにかくパレスチナ人の区分けが非常に複雑で私もまだ完全には理解していません。

 

話を彼女のにもどすと、座って話し出す言葉言葉にイスラエル政府への憎悪以上の深い憎しみしか出てこないのです。実態はひどいものです。ユダヤ人たちの迫害されてきた過去もわかります。ユダヤ教を信じる美しい気持ちもわかります。が、イスラエル政府が取っているパレスチナ人への政策には疑問を持ちました。彼女のご主人はウェストバンクでワイナリーを経営しているので、彼女曰く、“私は裕福な生活をしているし、働かなくても住んでいる“と言っていました。経済的に豊かな人たちもいるんだと学びました。でも、貧しい人々が過半数でしょう。私たちはホテルに戻りスーツケースをピックアップしなければいけなかったので、オールドタウンへ彼女と戻りましたが、チェックポイント前で、彼女、ここは必要以外は通りたくないし見たくもない。ということで、イスラエル兵がいるずっと手前で、さようならを言いました。

 

イスラエルの国というのは複雑で、何層にもレイヤー(敵対の壁)があり、それを溶かすのはきっと永遠にないのではないかと感じました。

 

さて、ミュンヘンに戻り、主人と話しています。友人のイスラエル人に、私たちがパレスチナ人と接触したということを正直に言えるか?わからないのです、言っていいのか悪いのか?それともどちら側につくのかを明確にして、どちらかとは今後合わないとした方がいいのか?

 

なんだか子供じみた迷いなのですが、それがイスラエルという今の分断された状況のように思う。