中学校二年生から約二年間、日本に留学していた娘。
東京に住んでいたのだが、そこでオーストラリアでは経験出来ない事を経験した。
まず、人の多さ。
仕事や学校に通うために周辺の県から東京都にどっと人が流入する。
知っている人は少ないと思うが、実は、日中の東京都の人口は、オーストラリアの全人口に匹敵するのだ。(因みにオーストラリアは、日本の21倍程の国土)
その東京の人の多さに、娘はこう感想を漏らしている。
娘:「東京に住んでいる人がおかしくなるのも、分かるような気がする。」
もう一つ、オーストラリアで出会った事の無いものに、娘は2年間で4回遭遇した。
幽霊
娘の話によると、
娘:「実体がしっかり見える幽霊だった」
そうだ。
一回目が一番怖かったそうだ。(当時14歳。初めて見た幽霊だったから)
夜に、娘が空手の練習の後、家に向かって歩いていると、酔っ払いの男性がふらふら千鳥足で歩いているのが見えた。
そして、その男性が交差点に差し掛かった時、車が交差点に進入するのが見えた。
娘:「Oh no ! Look out!!(あぁ!危ない!!)」
と、叫んだ。
が、その瞬間、男性の姿は忽然と消えたのだった。
フリーズする(凍り付く)娘...。
その後、猛ダッシュで帰ったそうだ。
二回目は、坂道で自転車に乗っていた時にペダルを漕いでいた足首を掴まれた。
自転車が突然ロックして、瞬間にスライドして方向転換した。
足首を掴まれた感覚がリアルで、思わず
娘:「Let me go! (放してよ!)」
と叫んだそうだ。
三回目は、大通りの歩道を歩いていて、若い男性とすれ違った...と思った瞬間、目前でふわっと消えたそうだ。(この男性もうつむいてたので顔は見えなかったが、実体はしっかりしてたのだとか)
四回目は、友達と富士急アイランドの「お化け屋敷」で、娘と一緒にいた友人が撮った写真。
誰もいない筈の廊下に、しっかり腕と手が写っていた...。
最後はほんの数年前。
まだ東京に住んでいる妹が、帰国した私達が東京に滞在している間、彼女のアパートに止めてくれていた頃。
娘は、高校時代の友人と飲み、終電で帰って来た。
もう時間は午前1時を回っていた。
駅からタクシーに乗り、途中あるトンネルに入った時、娘は女性が歩いているのを見つけ、思わずつぶやいた。
娘:「こんな時間に女性が歩いてる...」
運転手:「えっ?女性がいました?」
娘:「はい、今すれ違った(後ろを振り返り)、あれ?いない!え~!ちょっと止めて下さい!今そこを歩いてたんですよ!!」
運転手:「若い女性でした?」
娘:「はい。若い女性でした。」
運転手:「あの、実は、このトンネルで殺人事件があって、若い女性が殺されたんです。」
娘:「え“~っ!!!ホントですか?」
運転手:「本当です。犯人、まだ捕まってなくて、その事件の後に、トンネルに電気が付いたんです。」(私も通ったが、電気が付いていた)
言っておくが、学生時代は、娘はまだうつ病ではなかった。
そして、そのトンネルで女性を見た時は、勿論うつ病はとっくに克服していた。
友人と飲み歩いたとは言え、幻覚を見るほど酔っていたわけでなく、しっかりタクシーの運転手と会話をしている。
メンタルヘルスに問題は無かった。
娘:「日本は、幽霊が実体を見せるための磁気エネルギーがオーストラリアより強いんだと思う。」
それにしても、オーストラリアでは一度も見ていないのに。
やっぱ、オーストラリアより人口も多いし、歴史も長いから、幽霊も多いのかも知れない。