私が元夫と別居したのは2000年。

 

当時からオーストラリアは、保育園の営業時間が充実していた。

 

朝6時から夕方6時までとか、朝7時から夕方7時までとか。(日本じゃ考えられない長時間営業)

 

シングルマザーが働くには十分な時間だった。(本当に助かった)

 

 

 

日本のシングルマザーさんは過酷な条件下で子育てをしているので、私は凄く尊敬する。

 

 

 

オーストラリアは、学童を一人で家に留守番させるのは法律に違反しているので、必ず学童保育に預けるか、ベビーシッターを雇わなければならない。

 

学校が始まる前に仕事に行かなければいけない時は、朝早く学童保育に預けると、学校の始業時間に合わせて保育園の先生が学校に連れて行ってくれた。

 

学校が終わった後には、保育園の先生が、責任をもって学校から保育園に連れて来てくれていた。

 

朝5時に娘を起こし、小学校の制服を着せ、6時の保育園の開園と同時に保育園に娘を預けに行く。

 

朝が余りにも早くて、娘はよくむずかった。

 

 

「起きるのやだ!眠い。」

 

「何でこんなに早く起きなきゃいけないの?」

 

「こんなことになったのも、マミーのせいだ!」

 

 

保育園の床に置いてあるビーンバッグチェアに娘を寝かして行くのだが、いつも娘が一番乗りだった。

 

そして仕事が終わったら、午後6時に保育園が閉まる前に娘を迎えに行く。

 

土曜日、日曜日に働かなければいけない時は、娘の友達のお母さんが娘を預かってくれた。

 

本当に、私はシングルマザーになってから、沢山の人に助けられ、沢山の人に支えられた。

 

私が働き続けられたのも、そういった人達の手助けがあったからだ。

 

私はシングルマザーになってから、私一人では子供を育てていけない事を学んだ。

 

 

 

そして、カウンセラーからは、本当に沢山の事を学ばせてもらった。

 

私は、元夫を結婚相手に選んでしまった、自分の過ちに囚われていた。

 

 

私:「仕事の為に朝5時に娘を起こして、保育園に連れて行くんです。...開園と同時に預けていくんですけど、たった一人で広い部屋に寝ている娘が本当に可哀そうで。...私のせいで娘にこんな生活をさせなければいけなくなったんだと思うと、悲しくてしょうがないんです。」

 

カウンセラー:「貴方のせいではないですよ。」

 

私:「でも、娘がこんな生活をしなければいけない原因を作ったのは私ですから。」

 

カウンセラー:「貴方は貴方なりに精一杯努力をして来じゃないですか。自分を責めてはいけない。自分を責めても状況は変わらないよ。」

 

私:「...あんな人を選んだ私が本当にばかだったんです。だから娘にこんな思いをさせなきゃいけない。」

 

カウンセラー:「...彼に会った時は、貴方は何歳でした?」

 

私:「28歳です。」

 

カウンセラー:「28歳...。うん、まだ若いですよね。」

 

私:「そうですか?28歳の結婚は若いとは思わなかったです。」

 

カウンセラー:「そうだね、考えてみて。人生80年としても、やっと1/4を越えた位です。しかも、高校を出てまだせいぜい10年。人生経験のほんの始まりですよ。」

 

私:「そういう風に言われると...確かにそうですね。」

 

カウンセラー:「長い人生、若い時は誰でも間違いは犯すんです。大切なのは、間違いを犯した後の行動です。大抵の人は、自分の犯した過ちを認めようとしません。結婚でも同じです。結婚生活が上手くいかなかった原因は相手にある、と言う人が殆どです。彼(元夫)がそうですよね。自分の間違いを分析して、認めて、そこからどうやって人生を改めていくかです。それが出来れば前に進めます。自分の間違いを認められない人はそこで止まってしまいます。そしてまた同じ事を繰り返すんです。離婚しても、同じような相手とまた結婚して、また同じような問題にぶち当たる人は多いんです。貴方はもう既に、自分の犯した過ちを認めている。そこでもう既に、貴方は前に進んでいるのです。後は新しい人生をどう築いていくかです。貴方が娘さんの幸せのためにどれだけ努力しているのかを娘さんが理解さえできれば、貴方の犯した過ちは、人生の成長の糧になるのです。」

 

私:「...娘は理解してくれるでしょうか?娘があの人のような人間に成長するんじゃないかと思うと怖いんです。」

 

カウンセラー:「それも、これからの貴方の生き方次第です。犯した過ちを認める。同じ過ちを犯さないように自分を変えていく。親がそれを子供に自ら示していけば、良い事です。」

 

私:「...そうなんですね。私の生き方次第なんですね。」

 

カウンセラー:「でも、実際にはそれが出来る親は少ないんです。子供に対してどころか、誰に対しても自らの過ちを認める事すら出来ずに相手が悪いと貶し続ける。そんな親の言う事を、子供が聞くと思いますか?」

 

私:「思いません。私の父も、絶対に自分の過ちを認めませんでした。過ちを指摘すると、無視を決め込む人でした。母は...私が過ちを指摘すると泣く人でした。...考えてみたら、今の私と同じですね。母は...こんな風に自分を責めてたんですね。」

 

 

こんな風に、カウンセリングを受けながら自分の過去を思い起こしていく事がよくあった。

 

思い起こして行くにつれて、自分の行動がいかに母に似ていたのか、元夫の行動がいかに父に似ていたのかに気付いていった。

 

そして、自分が子供の頃に両親に対して 『嫌だ』 と思っていた事を、今、自分がしている事に気付いていった。

 

自分を客観的に見る事を、私達は親から教えられていない事が殆どだと思う。

(もしそう言う事を子供に教えられている親は、それだけで尊敬に値する)

 

 

 

私:「あの人は、娘によく 『俺はお前の親だ。子供は親の言う事に従わなければならない。』 と言ってました。『子供は親を尊敬しなければいけない』 とも言ってました。」

 

カウンセラー:「 『尊敬』 は得るものだと私は思っています。親だから、年齢が上だから 『尊敬しなければいけない』 という考えは、人を怠惰にさせます。親が、子供に尊敬されるような親になる努力をしていたら、何も言わなくても、子供は親を尊敬するようになると私は思うからです。そして、親であっても、子供の人格を尊重しなければ、親として、又は人間として、尊敬しては貰えないと思います。でも、今でも親や目上の人間に対して 『尊敬』 を強要する習慣を持つ国は多いのは事実です。」

 

私;「そうですね。日本でも昔はそう教えていました。でも、私は娘に尊敬されるような親になる努力を続ける方を選びたいと思います。」

 

カウンセラー:「それを続けていけば、娘さんは大丈夫だと思います。娘さんは、貴方の血を持っているのですから。自分を、そして、娘さんを信じなさい。」

 

 

 

子育ては、自分を磨くとことから始まると、私は学んだ。

 

自分を磨き続けないと、子供は自分を『母親・父親』として尊敬はしてくれない。

 

昔は『尊敬する人は父親・母親』と言う人が今よりは多かったのかも知れない。

 

学歴は無くとも、人生歴の優れた親は多かったのではないだろうか?

 

 

 

学歴・資格が人間の価値を決めるわけではない。

 

でも、学歴・資格で人の価値を見る世の中になっている。

 

そして、学歴・資格が高収入の職に就く条件になっている。

 

 

けれど、高学歴・多資格の前に必要なのは、人間関係を形成していく為に必要な 

 

Personality(人格・性格) 

 

そして、

 

Dignity(品格)

 

だと私は個人的に思っている。

 

 

パーソナリティ障害と診断されていないだけで、実際にはパーソナリティ障害を持ちながらこの世で生活している人間は多い。

(今で言うCovid-19のような感じだろうか...怖いけど事実だ)

 

 

私は元夫との国際結婚、国際離婚後、本当に色んな人に会い、色んな事を知り、学ばせてもらっている。