グロテスク/桐野 夏生

街娼で「怪物的に」美しかったユリコが客の手によって殺害された。


その後、昼間は大手企業に勤める街娼・和恵が同じ男によって殺害され、世間の注目を浴びることになる。


その事件をきっかけに、ユリコの姉であり、かつ和恵の高校時代のクラスメイトである主人公が彼女らとの関わりについて振り返る物語。






「東電OL殺人事件」をテーマにしているらしい。



彼女たちのとった行動は、決して他人事ではない と思わせる。


そして人間は嘘をつくものだということも再認識。





まず、「怪物的に」美しいユリコの顔を想像せずにいられない。


私はそこまでの美貌を持った人に今まで会ったことがない。




そしてそんな妹を持った主人公の苦悩も大きなものだったと思う。


私にも1つ下の妹がいるが、「妹のほうがかわいいねイヒヒ」なんてからかわれただけでカッチーンpunpun#*




自分が、自分と妹を比べることはなくても


周りは比べるものなんだ と気付いたものだ。





エスカレーター式学校の内部生と外部生の関係についても書かれていて


一般常識の通用しない世界の厳しさを知った。


「外部生がずっと内部生に片思いしているようなもの」という表現がとても分かりやすかった。









中学生の頃から娼婦となったユリコの「私は男が嫌い。」という意外な言葉には驚いた。





男と女の関わり(戦い?)や女同士の複雑な関係が生々しく描かれていた。