二本松ちょうちん祭りを、ちょっとだけ観に行った。
前回行ったのは、もう10年以上も前のことになる。
あの頃、西の方の祭りを題材にした小説が流行っていた。それに憧れて、わたしも地域の伝統を主題にした小説を書こうと思い立ち、ひとりで車を走らせて行ってみたのだった。
その時「観て良かったなあ」と、こころから思った。法被を着た男たちの姿と「わっしょいわっしょい」という掛け声が、とてつもなくカッコ良く見えて、これは良い小説が書けそうだと思ったのだった。
それから10年もの月日が流れ、未だに1行も書いておらず、そのことが、わたしを落ち込ませるのに十分で、ちょっと涙が出てくるほどだ……。
わたしは一体、何をやってきたのだろう。一瞬そう思って、「いやいや、色んなことを成し遂げてきただろうよ」と、自分を鼓舞する。
カウンセリングルームを開いたし、保健所から連れてきた犬を最期まで面倒見たし、小説だって、ペンネームでいくつか出しているじゃないか。
そうだ、大したものだ。改めて考えると、自分でもそう思う。でも、決して気は晴れない。なんで……?
そう、無理してカウンセリングルーム用マンションを買っちゃってローンが大変だし、それに加えて犬もまた飼っちゃって面倒を見るのが大変だし、収入的に思いっきりグレーゾーンだから税金的に一番損する立ち位置だし。
んーと、そういうこと?
ここのところ、どうも思考がぐちゃぐちゃだ。自分と向き合っていない。
また、自分を仕切り直す時なんだろうと思う。いや、大前提として体力がね……。
どうしたうづこ、おかしいぞ。
とにもかくにも、あのお祭りは、雰囲気があってすごく良いお祭りです。