ステイホーム中みつけた一枚の写真は
それはそれは懐かしい、
ザボディショップ時代のものでした。
 
創立者である、アニータ ロディックに会ったのは
私が49歳の時。
日本の社長に就任して1か月もしない頃です。
 
英国の本社を訪ねた私を
両手を広げて迎えてくれたアニータ。
「やっと、マーケティングが分かる人が現れて、
とってもうれしい。
さあ、今すぐ、新しいことを一緒に考えましょう」

就任間もない私を捕まえて、
新商品のアイデアを矢継ぎ早に話すアニータが
とても新鮮でした。
 
すごい女性が目の前にいる。
 
世界各国で自然ブランドを展開する
彼女の稲妻級のエネルギーが
そのまま私の体の中に
電流のように流れてきた感覚を
今でも覚えています。
 
人と自然と地球をこよなく愛するアニータは
時にエキセントリックすぎて
周りの人に理解されないこともあったようですが、
私はそんなアニータに学ぶことがとても多かったように思います。
 
自分の直観を信じ、
信念を曲げずにビジネスをすること、
それが、人々の幸せにつながり、
しいては成功へつながると。
 
人を幸せにすることに一生懸命だったアニータ。
思ったことをすぐに行動にし、失敗を恐れない。
ビジネスの根幹がここにあることを、
彼女は教えてくれました。
 
 

ザボディショップが掲げる社会貢献活動は

楽しくなくちゃ続かない。

で、みんなで作ったのが、地球温暖化防止のシンボル、

ホワイトベアちゃん。

当時の仲間たちはこういう発想がすこぶる素晴らしかったですね。

本当にかわいい。

 

 

ブラジルの熱帯雨林を守るために

ブラジルナッツを原料とした商品を開発。

コミュニティートレードで、現地の人々を助ける活動をしていました。

目的が違いますね。素晴らしいでしょ。

 

 

これはエイズ活動のために日本がオリジナルで作った

「缶ドーム」。

中にはなんとコンドームが入っています。

日本のエイズ感染者を一人でも減らすために

店頭で積極的に販売したものです。

缶に入った安全なコンドームだから

「缶ドーム」。名付け親は私。

なんと商標までとりました。

 

 

 

社会貢献活動のために作ったキャップとジャンバー。

みんなこれを着て、頑張っていましたね。

 

 

家庭内暴力防止のための商品を作って、

資金作りをしました。

 

 

初めての、日本製パウダー。

日本で作ることを英国本社が認めてくれずに

苦労した商品です。

クリエイトミーパウダーと名付けて発売したら、

世界の市場でも販売が始まり、大ヒットになりました。

やっぱり、日本の技術は素晴らしいです。

 

 

 

 

ボディとヘアのための雑貨もいっぱい開発しました。

日本はこういうものがとても上手です。

もちろん英国本社から送り込まれたものがいっぱいありましたが。

正直、やはり、日本製が一番でしたね。

今だから、言えますが(笑)

 

 

クリスマスにはこんなにロマンチックな入れ物も。

ヤドリギの木の下でキスをすると愛が実る、という

言い伝えをデザインしたものです。

中身はもちろん、クリスマスコフレでしたね。

 

 

ギフトボックスもコミュニティトレードで作られたもの。

とても素朴でしたが、それがまたブランドの味でもありました。

 

 

こうやって、懐かしく眺めると、

アニータの魂が生きています。

だからこそ、世界の自然化粧品のなかでも抜きんでて

いたのだと思います。

アニータという女性の本気度が違いました。

驚愕の本気度と行動力です。

誰も真似ができない。

 

私はアニータの精神を

継承するために

スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げました。

13年前です。

女性たちが自然で、自分らしく、いきいきと生きるために。

自分に自信を取り戻して、ありのままに生きていけるように。

 

まだ、道半ばですが、

日本中の、世界中の女性たちを幸せにするために

エネルギッシュにチャレンジし続けよう。

そんな思いにさせてくれた、

アニータとの再会でした。

 

 

今日はちょっと長い思い出話しをお読みいただきありがとうございました。

大変だったザボディショップでの日々も、今思えば、私の大きな栄養になっていましたね。

「経験に無駄なことはなにもない「」、という言葉を思い出しました。

今日も明日も、あなたにとって、いい日でありますように。