潰瘍性大腸炎のため緊急入院になってしまったちゃちゃさん。最初の治療は、ステロイドを大量に投与するステロイドパルスでした。
▼ ヒトのからだの中で作られるホルモンのステロイド
ステロイドと聞くと、副作用の強い薬で有名で、医師からステロイドを使って治療しますと言われたら、ええ?! やだ!と思う人は多い。
でも、ステロイドは、もともとは、女性ホルモン、男性ホルモンなどのように、体内の臓器で作られるホルモンの1種類です。
◎ 体内で作られるホルモン
赤丸の副腎皮質 コルチゾールは、ステロイドホルモンのこと。
▼ 天然ステロイドと工場生産の薬ステロイド
ならば、ヒトから採取したホルモンをビーカーの中で育て増やしている?
実は、そうじゃなくて、化学薬品を混ぜ合わせて同じ成分を作り出し、化学工場で大量生産する。
製造しやすく費用も安いステロイド剤。体内で作られる量と同じぐらいの使用なら、副作用も出ないと予想されるのですが、データ、まだみつけていません。一方、薬として使用する場合には、大量投与しないと効果が出ず、重い副作用が出ることがある。
▼ ステロイドパルス専用のメチルプレドニゾンの薬量
わたしたちの体内で生産される天然のステロイドの量は、健常成人だと、1日平均10mgです。365日だと、3650g
一方、ステロイドパルス療法に使われるメチルプレドニゾンの量は、こちら。
1日1g=1000mg
3日3g=3000mg
ステロイドパルス3日間の量は、体内で産生される1日のステロイドの量の300日分に値する。つまり10か月分!!
▼ なぜそんなにもたくさん?!
なぜ、こんなにも大量のステロイドをわずか3日間で体内に入れるのでしょう。理由は、大容量のステロイドを短時間で体内に入れると、効果が早く出るため。
炎症がひど過ぎるときは、1分1秒でも早急に炎症を抑えたい。そのためステロイドの大量投入が必要になる。
副作用が心配では?
はい。このため、ステロイドパルスをしている最中と、そのあとは、24時間の医療的な監視がしばらく続き、看護婦さんたちが、神経をとがらせる。