ある日、仕事が終わって更衣室に入ると、パン部門早朝討ち入り悪口大演説の女子社員が泣いていました。
周りには人がいなくて、わたしたちだけでした。
娘ふたりが家出した。あちこち、必死に探しているけれどみつからないと。
どうも中学生か高校生らしい。
ティーンエイジャー・・・
カナダに住んで知ったのですが、白人のティーンだと、成長ホルモンに変化が強く出る関係で、精神的に不安定になりやすくなるという感じがあります。
pencilart から拝借
その子自身が最もつらいのですが、親やその周りの子どもたちが巻き込まれ、小さな事件が起こりがち。
彼女の娘たちにも、たぶん、そんな事情があるのでしょうか・・・。
彼女は、つぶやくようにいろいろ何かを言っていたのですが、英語ではっきり聞き取れなかったし、だからといって、聞き返すのもためらわれ、なんと声をかけてあげたらいいのかわかりませんでした。
翌日、彼女とは仲良しの花部門のマネージャーが、
「母親ってとっても大変。わたしは、子どもがいなくてわからないけれど、彼女の話を聞いて、自分には子どもを育てることは、とてもできないって思った」
子育ては楽しい。でも、子どもが大人になっていくとき、そして、大人になったとき、親は、大きな試練を経験することになる。それは、経験してみないとわからない。
その女子社員のことが気の毒でした。そう思うと、悪口事件の影が薄くなる。