●痛み11)心理的・感情的な要因が痛みを助長 | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

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▼ 過去のトラウマを改善
「感情認識・表現療法」という治療方法もあります。これは、慢性的な痛みの原因とされる「未解決の感情」を明らかにすることを目的としています。

幼少期の虐待や、完全な子どもになれという重圧などのトラウマにより、怒りや恥の感情が、「脳の警報気道を駆動させ」身体的な痛みを誘発します。


この療法は、慢性的な痛みを持つ人々が、グループ、または個人セッションによって、これらの感情に気がつき表現できるようにします。
研究はまだ初期段階ですが、慢性的な痛みをかかえる退役軍人の男性50人を対象に、この療法と認知行動療法を比較した研究があります。前者のグループは、3分の1の人が痛みを半分以上軽減できたのに対し、後者のグループは、同様の結果を得た患者はいませんでした。

この新しい療法は、線維筋痛症や過敏性腸症候群といった痛みが主症状である疾患の患者に特に役だと考えられています。
「こうした疾患は、大多数の人が、なんらかの心理的・感情的な要因によって痛みを助長してしまっている」と考えられます。


どのような手法を用いるにせよ、慢性疼痛の治療目標は、現在よりもはるかに高く設定したいと望んでいます。

「慢性的な痛みと上手に付き合っていくための手助けをします」というペインクリニックが多すぎます。対して、PTSDのような難治性のように見える症状を扱う医師は、その症状を完全になくそうと努力していると、研究者は語ります。

 

◎ PTSD

心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、post-traumatic stress disorder、PTSD)は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害

専門家たちは、この疼痛破局化尺度が、長く苦しんでいる疼痛患者の評価だけのためでなく、疼痛が慢性化する危険性のある人々を事前に特定するために使われることを望んでいます。

アメリカのデューク大学では、腰などの手術の後、痛みが慢性化する危険性のある患者を手術前に特定することができるようになりました。

「予防的、積極的な対策に資源を投入すれば、そうしなかった場合に比べて、この人にとっての結果は大きく異なるものになるだろうということが、このスコアを見ればよくわかるのです」

◎ 写真

手術中、ブレント・バウアーさんは、「スノーワールド」という仮想現実(VR)動画で痛みを和らげている。

仮想現実によって全身麻酔の必要性を減らし、リスクと費用を削減できることを示唆する研究

 

 

▼ 仮想現実ビデオ スノーワールド

アメリカの軍関係の医療研究者らが開発したビビデオログラム

 

戦争で重傷を負った兵士は、治療やリハビリ時に、激しい痛みと向き合わなければなりません。アメリカ軍の医療研究者らは、元兵士に仮想現実ビデオを治療中に見せることで、脳が感じる痛みを軽減することができるようこのプログラムを開発しました。

 

▼ スンーワールドを使いながらのリハビリ

下記の動画の兵士は、アフガニスタンの戦争で全身に大やけどを負ってしまいました。リハビリ治療のため、からだを動かさなければならないのですが、痛みがひどすぎる。このため、仮想現実のビデオに集中することで、痛みの軽減を行っています。

痛みは熱と関係していますが、氷の世界を見ることで、過去に負った体験を思い出さずに済んでいます。

 

動画を見ている間、MRIで確かめると、脳の活動が変化し、痛みを感じなくなるようになっていました。

 

動画は英語

 

▼ 痛みのシリーズ最終回

痛みは、軽くても生活の質に影響します。脳を再教育することで、痛みから離れることができる。具体的にどうしたら良いのか、これからも調べていきます。

 

痛みにまつわる感想や体験談などがあれば、ぜひお知らせください。

 

 

▼ そのほかの痛みを和らげる療法:

  • コラム法
    コラム法はワークシートに出来事と、その時の感情、適応的な思考を書いていくことで、自分の認知の癖に気付き、バランスを整えていく認知療法です。
    3コラム、5コラム、7コラムなど種類があり、カラム法とも呼ばれています。
     
  • 暴露療法(エクスポージャー法)
    不安を感じている事に対して、段階をつくり徐々に慣れていくことを目指す行動療法の事を暴露療法といいます。
    例えばパニック障害のある方が、満員電車に乗ることに強い不安がある場合は「駅に行く」「各駅停車に乗る」など不安が小さいものから順番に行うことで、無理なく慣れていくという方法を取ります。
     
  • セルフモニタリング法
    手帳やワークシートに自分の事を記録していく行動療法です。
    記入するのは就寝・起床時間、行動したこと、体調や気分を点数化したものなどで、それを一定期間(1週間・1か月など)続けて振り返ることで、客観的に自分の体調や気分の変化をの傾向を知ることができます。
    自己理解ができることで対策が打てるようになり、体調・精神の安定につながっていきます。手帳やアプリなどでもできるため、比較的個人でも取り組みやすいものです。
     
  • リラクセーション法
    人はストレスを受けると、心身が緊張し、緊張が長く続くことで自律神経の不調など悪影響が出てきます。
    そういった緊張をゆるめてストレスの予防・緩和を行うのがリラクセーション法です。一度体に緊張を作ってからゆるめる「漸進的筋弛緩法」や、落ち着ける姿勢で公式に沿ってリラックスをする「自律訓練法」などがあります。

 

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1361.html

 

英語版:

https://www.nationalgeographic.com/magazine/article/how-you-think-about-physical-pain-can-make-it-worse