バンクーバーは、年末からずっと雨空でしたが、きょうは、朝から冬の太陽が輝いています。
冬の太陽とは、地平線のちょっと上あたりを東から西に転がる輝き度が60%のおひさまのこと。寒すぎて夕方の4時半には、沈んでしまいます。
日本は、まだお正月気分が続いているかと思いますが、カナダは、新年のお祝いは1月1日だけ。元気のエネルギーは、昨年の12月のクリスマスですでに使い切っている。
大型食品店の当スーパーは、西側のカナダに134店舗があります。わたしの務めるスーパーは、2008年に小さな古い店舗から大型店に新築され、15年後に税金対策のため何億円もかけて内装を改築。
バンクーバーのダウンタウンにある当店は、この州の売上度の指標ということでフラッグ(旗)ストアと呼ばれてきました。誠に名誉あることです。
当時は、11個あるレジは、忙しい時には、すべて長蛇の列ができるほど、繁盛していました。
▼ 激変する街
日本人のイメージだと、バンクーバーは、白人街だと思います。ですが、15年ぐらい前の国税調査で、商業住宅地区のダウンタウンの白人は、少数民族にランク付けされてしまいました。多数民族は、中国人とインド人でした。
バンクーバーのタウンタウンは、海峡に囲まれた半島です。
そこに、お店、銀行、会社、総合病院、マンション群、一軒家、たくさんの公園、小学校から小型の大学、ぎっしりと隙間なく詰まっています。観光都市なので、ホテルや飲食店が多いのが特徴。
市民が愛するビーチがある南側地域は、ゲイ住民が多く、通称おかま通りがあります。ゲイの人たちは、プログラマーや芸術家が多く、裕福地帯です。
海岸に近い商店街は、平屋が多いのが特徴。人がいないのは、早朝だから?
レインボーカラーは、ゲイの象徴色。知らずに7色の帽子やマフラーを男性がしていると、ゲイに声を掛けられる。
おかま通りには、当スーパーの別支店がありますが、観光地ということもあり、売り上げが当店よりもずっと良い。
かたや、当スーパーがある北側地域は、かつては裕福層が多かったのですが、家賃高騰のため、高収入の人たちが脱出。空いたマンションを中国人が買収。購入者は、本国中国にいて、買ったマンションの部屋は、空のままか倉庫にしています。(常連のお客さんがある日、窓の奥を見たら、段ボール箱が積んであったとの証言あり)。
夜や、暗い明け方、職場の向かいにあるマンションは、40部屋あっても、明かりがついているのは3つしかない。(同僚の証言)
最近は、大金持ちのイラン人が大量に移民してきました。彼らは、基本的に働く必要はありません。本国の銀行にお金がたっぷりあるので。
さらに、この地域は、高齢者と身体障碍者のための大型住宅が多い。全員、政府から年金、あるいは、生活保護で生活しています。
学生や低所得の人たちは、小さなアパートにぎゅう詰めに住んでいて、家賃を分割しています。
(常連の別のお客さんが、ある日、窓の奥を見たら、ひとつの部屋にベッドが6つ並んでいたとの証言あり)
空マンション、働く必要がない大勢のイラン人、働けない高齢者と障碍者、貧乏暮らしの人たち。
▼ 当店の売り上げが落ちている理由
当スーパーの周りは、人口が減少し、低所得層が取り残されている。
当スーパーの80%以上の常連のお客さんは、高齢者。
当スーパーには、高所得者であるイラン人が好む食品が少ない。このため、あまり来ない。
▼ 毎月値段が上がる商品
カナダは、物価がうなぎのぼりで、レジでは、3か月前、2000円で買えたものが、きょうは3000円だったとショックを受けるお客さんがたくさんいました。今は、ショックが慢性化し、買う量を減らすことに。ぜいたく品は買わない。
このため、高齢者の女性の場合、1回の買い物は、その晩のスープ用のネギと、主食のコッペパン1個、合計220円なり。ということが起きる。
▼ 総論
フラッグストアである当店は、州全体が、貧困化へ向かっていることを示唆、あるいは、予告している。
▼ 感想
人員削減が日常化し、あちこちから悲鳴が聞こえる毎日です。でも、みんな、なんとか乗り切っていけている。仕事があること自体、感謝。いろいろなことが起きていますが、良い同僚に囲まれ、楽しく過ごしています。
日本は、どうなっているのでしょう? みなさんの周りは大丈夫?