乳がん転移  「死の瞬間」

最後のLINEスタンプ

 

 

今回は、亡くなった妻のことを想い返しながら、「死の瞬間」について触れたいと思います。本人が何を感じながら、その時を迎えてきたか、、そして、これから、自分自身にも訪れるその時に向けて、現代医学と霊的側面の両方から理解を深めたいと思います。

 

まず、簡単に妻が亡くなるまでの経緯です。

 

2022年

 4月28日・・2回目手術(鎖骨上リンパ節・腋窩リンパ節郭清)

  ※手術室へ見送ってから、手術が終わり迎えるまで約6時間

  ※左脇血管近くの腫瘍の一部が切除できず残る

  ※手術後のCTでは、特に異常なし

 

 5月26日~7月13日・・放射線治療(35回実施)

  ※7月30日頃から~、食欲不振、倦怠感、不眠、発熱、せき、
   息切れ等が、だんだんと強くなる。

  ※8月22日に、造影CTで、治療結果を確認する予定だった

 

 8月  8日・・肺炎の疑いで緊急入院(隣市の総合病院)

 8月12日・・主治医より、癌性リンパ管症にて余命(約2~3週間)宣告

 8月15日・・昼過ぎ、病院より「呼吸が弱くなっている。至急来てください」
         とTELあり。到着した時には、妻、既に死亡(余命宣告より3日後)

 

あとになって思ったのですが、手術で取り残した「腫瘍」を、先生曰く「焼き切る」ために、放射線治療を始めました。しかし、これに合わせた形で、肺のリンパ節への転移が始まったように思います。そして、治療が終わるとともに、肺に転移した癌細胞が、急激に増殖したのではないかという感じがしています。もちろん、最初から目に見えない癌細胞が転移していた可能性もあります。

 

 

当時のメモを振り返って見ますと、
妻の苦しかった当時の状態を偲ばずにはいられません

 ・日に日に、しんどく、息苦しくなっている。
 ・意識はあるが、胸が苦しい。息できない。
 ・手先が、冷たい。
 ・お食事がとれなくなった。座ることが出来ない。
 ・歩けないので、トイレに行けなくなり、オムツになる。
 ・自分でも弱ってきていることが分かる。
 ・ベッドに、右を下にして、エビのように横になっている。
 ・「早く家に帰りたい!」「自分はどうなるんだろう?」

 

 

それでは、ここで、現代医学の生理学的な側面から見た「死の瞬間」を、下記のホームページより引用させて頂きます。ここのホームページに書かれている内容は、がん患者と家族にとって、大変参考になる記事が書かれています

 

癌性リンパ管症についても詳しく書かれていて、残されている時間(余命)は、1〜2週間以内が多いとのことです。また症状は、急激かつ強烈な呼吸困難、溺れるぐらいの苦しさだといいます。

 

 

 

 

(引用箇所は、色付き文字。太字と下線は私が入れています)

 

「ガンの場合、多くの方は急に呼吸が止まるのではなく、徐々に呼吸の休止時間が延長して、最期に呼吸が止まります。

心臓も急に止まるのではなく、血圧がゆっくりゆっくり下がってゆき、心臓のポンプ機能が停止します。

心臓が止まった時点が死の瞬間かもしれませんが、その瞬間を感じることはできません。

 

臨終の半日から一日前は、目を閉じてほとんど寝て過ごしていますが、呼びかけには反応できる方が多いです。声をかければ目を開けたり、うなずいたりします。

 

ガンが原因で死を迎える場合、臨終の数時間前になると急に血圧が低くなります

血圧が低くなると、肩で息をするようになり、周囲からすると苦しそうな呼吸に見えます。死ぬ直前の呼吸は苦しそうに見えますが、本人は苦しさを感じてはいない でしょう。

 

いよいよ臨終に近づくと、息を吸っては 数秒間休み息を再開する ような呼吸を繰り返すようになります。

呼吸の休止時間はだんだん延びてゆきます

吸って、しばらく休んで吐いて、また休んで吸って、休んで、吐いてというサイクルを繰り返すようになります。

 

呼吸を休んでいる 無呼吸の時間が長く なり、最終的には 息を吸わなくなり、臨終 となります。

 

呼吸の休止が始まって死ぬまでの時間は数時間以内 のことが多いようです。臨終のときは突然訪れるのではなく、ゆっくり数時間かけて呼吸が遅く なり、穏やかに最後のときが訪れる のです。

無呼吸の時間が数分続けば、呼吸停止したと判断し、医師による 死亡確認 が行われます。」

 

以上、本当に、分かりやすい解説で、入院前に見ていたら、少し対応が変わったのにと思います。

 

まさに、妻もそういう状態だったのに、私は、「死」が近いことに気付いていませんでした。妻からの 8月12日のLINEには、「息が苦しくて眠れなかった」、「鼻からの酸素を止めて、酸素マスクになりました」、「酸素濃度の機械がつけられています」など、LINEにメッセージが残っていました。

 

その後、妻からのLINEの言葉は、短くなり、スタンプだけになってしまいました。

妻が亡くなった前日の8月14日夜、最後のLINEスタンプ です 

 

 

 

 

LINEからも、病状が急速に悪化していることが、うかがえるのに、私は、持っていく「洗濯物」の中身とか、そんなどうでもいいようなメッセージしか打てていませんでした。大バカ者でした。

 

 

がんによる「死の瞬間」は、このように、

 

 ①一瞬で訪れるのではなく、半日ぐらいかけて 徐々に心臓と肺が働く
  のを止めて、血圧と呼吸が徐々に低下 し、死に向かってゆく。      

 

 ②意識は薄れ、眠っている状態 が続き、呼吸の休止時間は長くなり、
  最後は穏やかに死を迎える。

 

 ③多くのガン患者は、一日ぐらいかけて死んでゆく。 のです。

 

私の妻も、まさにこのような「死の瞬間」を迎えていたと、しみじみ感じています。

 

 

それと、余命宣告を受けた日の会話の中で、「家で看取りたい人は、在宅も可能」「但し、酸素が必要」と言われたのですが、まだ、2~3週間あるなら、まず「外泊」や「外出」をお願いしたところ、「容体が落ち着くようであれば、これを目標にしましょう」ということになりました。しかし、結果的に、これは実現できず、「死の瞬間(臨終) を看取れず、後悔が残ることになってしまいました。

 

 

もし、このブログを見られた家族の方で、「死」を意識するような状況が近づいていれば、患者ご本人の意向も聞いて、早めに「在宅での看取り」を考えられたほうが、

後悔は少ないと思います。

 

 

今日は、亡き妻の最後に至る状況を振り返りながら、現代医学の生理学的側面から、「死の瞬間について、見てきました。
次回は、霊的側面から、「死の瞬間」を見てみたいと思います。

 

 

願わくば、妻の霊に一歩、また一歩、近づけることを願って🌺