遠い昔(1980~2000)タイガー・マネージメントという
株式のロング・ショートを中核とする伝説のヘッジファンを率いていた
ジュリアン・ロバートソンという伝説の人物がいた。
https://www.glossary.jp/econ/investor/julian-rovertson.php
このタイガーの血統は、その後も継承され、
「タイガー・カブ」
(日本語だと子虎だろうか、さすがに虎の子とは訳し難い)
として株式・社債市場に君臨した。
およそ1年前の2021年3月頃、
「アルケゴス・ショック」をもたらした(ソングク)ビル・ホワン氏
もかつてはタイガー・マネジメントにいた人物で、
設立したヘッジファンドはタイガー・アジア、
その後アルケゴス・キャピタル・マネジメントとなる。
https://jp.wsj.com/articles/inside-archegoss-epic-meltdown-11617678662
この事例では、ファミリー・オフィスという
シャドーバンクを隠れ蓑にして、
大手金融機関の名義をプライム・ブローカレッジ・サービス
+与信により運用資産の10倍近くという大きなレバレッジを獲得し、
流動製の無い資産クラスを保有。
ブロック取引で逃げきれず、
むしろ先回りされてしまった結果、巨額損失を計上したのは記憶に新しい。
この件に関して、ロバートソン氏の見解は以下の通り、ホワン氏を支持するものである。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-30/QQRCS2DWLU6L01
(米国のこういうところ好きです)
そして2022年、
話題となっている米国にいた子虎は、
「タイガー・グローバル・マネジメント(TGMとする)」等である。
https://fu.minkabu.jp/column/1304
2020年には空前絶後のパフォーマンスを上げたTGMだった。
2022年3月:TGMは$1bioの社債を発行し資金調達した。
償還期限は,5,7,10,12年である。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-11/R8K09LDWRGG301
旧世紀の金融危機を引き合いに出す必要もないが、
金融取引の失態は、短期の(変動率の高い)資産を
長期固定の負債で保とうとする事で引き起こされている。
これを資産(Asset)・負債(Liability)・管理(Management)通称ALMという。
時間の概念の無い、一代が消えるべき理由と言えよう。
2022年5月:ネットフィリックス、ショッピファイといった株を
市場において売却し、TGMのみならずマーベリックを含む子虎の殆どが大きな損失を被った。
https://www.bloomberglinea.com/2022/05/18/hedge-fund-hell-how-the-tech-crash-is-clobbering-the-tiger-cubs/。
アルケゴス・ショックの際、
この「タイガー・カブ」と
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)とが近接していることを感じた。
両者がいまだに保有しているのが
中国株、特に京東集団(ジンドン:通称JD)である。
このJD自身も企業投資を積極的に行っていた。
まだ両者がJD株を手仕舞ったとは思えない。
