私が衛星放送を入れるまで その3 | イギリスはやっぱりマズい

私が衛星放送を入れるまで その3

私はこう見えても
(どう見えても?)
小さい頃すごく引っ込み思案な子供であった。
知らない人が怖かったので、
知らない人に話しかけるのなんて論外であった


お店に行くとしよう。
必要なものが見当たらない、なんてことはしょっちゅうある。
その場合、店員に聞いてどこにあるのか教えてもらったり、
ない場合はいつ入るのかとか聞くのが当たり前。
だが、私にはそれができなかった。
聞くのが怖いのである。


ちょっとまだいまだにそうなのだが、
英語ならなおさら怖いのである。


電話で話す場合、
相手の顔が見えないとやりづらいというのは母国語でも同じだろうが、
英語は余計分からなくなる。
聞きなおすのも気兼ねだし、
そのままスルーしていって結局分からなくなることもある。

だから、スカイに電話をして聞けばいい話なのだが、
それがなかなか気詰まりだった。
どうせかけなければならないだろうが、
その前にまわりのえげれす人に聞いてみようと思った。


ドスの聞いた声でしゃべる女性のAGさんに聞いてみた。

「ねえ、スカイ入れてる?」
入れてない

…一言返し。

「あ、そう…」
とその場を去ろうとする私。
「待って待って。スカイがどうしたの?」

声はドスがきいているが、
ほんとは優しいAGさんに事情を説明する私。

なんだ、電話してみればいいじゃん




その通りだ。
私だってそんなの分かってる。
それができれば苦労はしな…




ピポパ。




もうAGさんはスカイの番号を調べて電話をかけ始めていた
(早っ!)


「ハーイ。ちょっと聞きたいんですけど、
 デコーダ+ミニディッシュ+インストールがただっていうキャンペーンを見たんだけど、
 なんで共用アンテナがあったら申し込めないんですか?」

見事な英語でとっとと核心を突くAGさん
(えげれす人だから当たり前なのだが)

「はい、…はい、あ、そうなの?」

聞いたことをメモするAGさん。
見ると、
「free」(タダ)
と書いてある。

受話器を置いたAGさん。
「あのね、
 共用アンテナがある人はキャンペーンに申し込めないっていう意味じゃなくて、
『あのウェブサイトでオンラインでの申し込みはできない
 って意味だって」
「え!?!?!? じゃあ…」
「この電話番号にかければ、無料で申し込めるってよ」
「ほほほ、ほんと!?!?!?」


うわぁぁぁ~~~~~~い
なんだなんだぁ、誤解だったのか。
おっかしいと思ったんだ~~~

「はい、これがその番号。
 …かけてあげよっか?」

いえ、さすがにそこからは自分でやります…(汗)
それじゃガキみたいだもん。


そうだよね。共用アンテナがあるからって差別されるわけないもんね。
るんるん、これで私も衛星を見れるんだ!
さて、そうと決まったら後で電話しようっと。


サイトを見ると、夜の11時まで電話を受け付けているらしい。
加入用の番号だから、夜遅くまでやってるのね。
そうね、夜にいきなり
衛星放送を入れたいっっっっっっっ!!!!」
って欲望に駆られる人もいるかもしれないもんね。

さて、仕事でもするか…

(はい、AGさんは会社の同僚です。
 ここまでの2人の会話はオフィスでなされていました)



私用電話は最低限にしたいしで、
8時に家にたどりついてからさっそくスカイに電話した。
緊張する私の耳に聞こえてきたのは…
妙に明るくハツラツとした男の声だった。


「スカイ・デジタルです。
 営業時間は朝の10時から夜の7時までです。
 またおかけ直しください





共用アンテナを持っている人の申し込み番号は、
やはり差別されていたのであった。

(つづく)