母から

「ピザトーストの作り方教えて」と電話があった

 

 

 

わたしが小学生のころ

よく食べていたことを思い出したらしい

 

 

 

とっても簡単だ

 

 

 

作るのではなくて

ぬってのせるだけ

 

 

 

それでも

当時の記憶をたよりに

母に説明する

 

 

 

「厚切りトーストにバターをぬって ピザソースをぬり オニオンスライスとベーコンと…何だっけ?」

 

 

「ピーマンね」と母は嬉々として答える

 

 

「そうそう 適当にね その上にチーズを好きなだけ」

 

 

 

説明しているうちに

わたしも

たくさん作って家族で食べたことを思い出した

 

 

 

 

食パンもピザソースもチーズも

当時は一、二種類しかなかった

 

 

だから銘柄なんか覚えていない

 

 

今は選ぶのに困るほど種類が多い

 

 

 

そんなことを思っていたら

「便利」って当時の方だったかもしれないなって感じた

 

 

 

選ぶ時間は楽しいかもしれないけど

迷うのであればない方がいい

 

 

 

 

 

 

この頃

いろいろな予定がブッキングすることが多い

 

 

 

人生はあっという間…と思ってから

好きなことやりたいことは躊躇せずにやろうと決めている

 

 

 

「よくばりなのよ えぬちゃんは」と友だちに言われたこともある

 

 

 

ブッキングしてどちらを選ぶかというと

後悔が少ない方にしている

 

 

 

どちらを選んでも

一抹の後ろ髪を引かれる思いが残るからだ

 

 

 

 

ある晴れた日

主人にドライブに出かけようよと誘われて

その日はどうしてもやりたいことがあったので断った

 

 

 

しばらくして

やっぱり行こうかなと思って

すぐ戻ったが

もう主人はいなかった

 

 

 

趣味のバイクで出かけてしまった

 

 

 

はたと

「無事に帰ってきて」と

いつもは思うことないことが浮かんでしまった

 

 

 

 

夜遅く

主人は帰ってきたが

今までバイクで転んだことなかったのに

転んでバイクに傷をつけてしまっていた

 

 

 

 

行けばよかった…

 

 

 

 

 

 

母はピザトーストを美味しく食べられただろうか…

 

 

 

何十年もたって

小学生のわたしとピザトーストを思い出した母

 

 

 

今朝

「去年母の日にプレゼントされたカーネーション咲きました!」

と画像とともにメールが送られてきた

 

 

 

大切に大切に手入れをしてきたからだと思った

 

 

 

 

なんだか ピザトーストを作って食べたくなった

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございます