こんにちは
人類学って
民族や文化をフィールドワークして
その「 差異 」を研究する学問だと思っていました
本書を読んで
文化人類学こそ
わたしたちが平和に生きるために必要な知識 だと感じました
キーワードが
「 つながり 」と「 はみだし 」
「 人間が社会的動物である 」から出発し
「 つながり 」には
「 存在の輪郭を強化する働きと、反対にその輪郭が溶けるような働き 」があると述べています
話はそれますが
そもそも
人との「 つながり 」は薄れているんじゃないかと思う方もいるでしょう
( 近代国家は「 個 」の確立で成り立っている考え方がベース )
戦争 民族紛争 経済格差 国家間格差 ジェンダー と分断が頻発しています
それは つながっているから( お互いを知るようになったから )起きたことだといいます
ですから
わたしたちは 人と関わり合って生きていくものという考えを出発点にすべきなのです
「 文化が異なるから異なる民族が生まれるわけではない 」
「 境界線が引かれることで、その差異が強調され、類似した要素が無視されたり、排除されたりするようになった 」
という説が 紹介されています
これが輪郭を強化する働きです
興味深いです
「 わたし 」は輪郭( 境界 )を持って生きていると思っていますが
実は
他者と関わることで「 わたし 」の欠落部分を知り
「 わたし 」が「 わたし 」を はみだしながら変容していきます
これが 輪郭が溶ける働きです
海外旅行で経験したと思いますが
最初は その土地の文化や社会システムなどに戸惑いますが
しばらく滞在しているうちに
スムーズに 行動できるようになりますね
それと 同じことです
そこで注目したいのが
「 文化人類学は『 異文化.』を理解するための学問というよりも、異文化との出会いをとおして自分たちのことを理解しようとする学問である。 」
というくだり
多様な境界( 性別 文化 国家 民族 社会的役割 … )を持つわたしたちは
その多様性の中で
他者によって「 わたし 」を引き出されています
常々 わたしは
そぎ落として そぎ落として 本当の自分に会いたいと思ってました
もしかして まちがいかもしれないと感じたのは本書を読んで …
「 自分の殻を脱ぎ捨て、いろんな可能性に向けて『 わたし 』を開いておく 」と
松村圭一郎さんが 述べている通り
他者( 動植物 芸術 なども含めて )に支えられて
「 わたし 」は変容していると自覚すべきでしょう
境界を固定せず やわらかな心で他者とともに生きてゆく
差異にばかり目を向けず
似ているところ
共感できるところを もっと見つけていけば
争いさえも なくなると思います
ネットでつながりやすくなった今だからこそ
文化人類学の視点は
とても貴重なものと言えましょう
「 物事の見方を変えたとき、あなたが見ているものも変わります 」
( ウエイン・W・ダイアー )
最後までお読みいただき
ありがとうございました