こんにちは 照れ

 

 

「悪いこと」ってしちゃいけない

当たり前だ

 

ギリギリに追いつめられたとき

人は何をしでかすかわからない

「絶対しない」と言えようか…

 

 

 

 

 

 

掌編小説21編収録のなかの

「鰭紙」(ひれがみ)から

 

鰭紙とは 付箋のこと

 

 

 

 

江戸時代の大飢饉について調査している

経済史教授 市原が

ある町の文書を目にする

 

 

 

 

 

「大庄屋は几帳面な性格らしく、筆跡が整っ

 

ていて読み易い。天明元年、二年が不作で、

 

三年が大凶作に見舞われたことが記され、こ

 

とに三年の状況が詳細に述べられている。」

 

 

 

「餓死者が増し、人べらしのため老人や子供

 

を殺して川に流すのが習わしのようになり、

 

牛、馬すべてを食いつくしたことが、淡々と

 

した筆致でつづられている。」

 

 

 

「市原は、再び文書を手にして、川岸で子供

 

の肉を食っていたという女の記述の部分に視

 

線を据えた。さらにその部分に貼られた鰭紙

 

に、女が嫁ぎ、多くの子供を生んでいると書

 

かれていることに強い関心をいだいた。

 

ふと市原は、女が嫁いだという油商の屋号と

 

昨夜泊まった旅館の名が同じであることに気

 

づいた。」

 

 

 

 

 

 

子供の死体の肉を食べた女の 子孫が

今は その温泉地では 一 二を争う旅館を経営している

 

 

 

「昨晩泊まった旅館」の「艶やかな肌をした女主人」を思い出した市原は …

黙ったままだった

 

 

 

 

 

 

 

生き延びるためにタブーを犯した人を 

非難できようか …

 

 

 

 

フィクションではあるが

少なくとも 天明の大飢饉 は史実に基づいて書かれているようだ

 

だが

 

「悪の種」は誰でも持っていて

発芽させるきっかけさえあれば…と

人間心理の妙に注目したい

 

 

 

 

 

 

 

わたしは生きている

私の命は

連綿と続いた命の営みの結果である

 

 

本書を読んで

 

わたしの命の中に「悪」や「罪」の欠片 が …

 

もしかしてあるのではないか と 

 

少し胸がざわついた

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本の ふるさと納税 で デコポン がきたよ 音譜

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございました お願い