1977(昭和52)年7月31日(日)
PM0:00 フジ クイズドレミファドン!
この番組ってナベプロの製作でしょ、それなのにどういうわけだか 最近ライバルホリプロの歌手がちょくちょく出演するのです。
今日は夏祭りがテーマだったので 青地に蝶の柄の浴衣を来てました。
やぐらの上にいる沢田研二の太鼓で 盆踊りメドレーをたくさん歌ってくれた。
伸びのある響く声はとっても素晴らしくって 私もつい乗ってしまった。
音頭って楽しいんだもの。
そして楽しみにしてたのが“逆さ歌”のコーナー。
なんとマコは 他の人たちみたいに楽譜を持っていなかったの。
「覚えてきました!」って涼しい顔で言うのよ。頭のさがる思いです。
しかもずいぶんと長い歌で、逆さに歌ってるときはチンプンカンプン。
ところがテープを逆回ししてみたら それが「花の首飾り」であると判明!!
言葉もハッキリしてるし、もちろんメロディーも間違ってないし完璧です。
おまけに声が伸びるからこの歌の高音にピッタリで・・・。
それにしてもマコってな~~んてすごい歌手なんだろう。
ため息しか出ません。ちょっと他の歌手に真似は出来ないだろうな。
最後に「なみだの棧橋」を歌ってくれた。
(これがその時の写真ですね)
本当は今日、TBSロッテ歌のアルバムの999回記念番組で 玉置さんと司会をするはずで楽しみに待ってたのに 例の高熱が出たときで 玉置さんが説明してくれてピンチヒッターで山口百恵が出てた。
新聞の番組欄にはマコの名前が載っていたので、出るのかなぁって期待もあっただけに ものすごくショックで涙が出た。
せっかく楽しみにしてたのに 1000回記念も出られないなんて辛いなぁ。
PM8:45 NHKビッグショー 森昌子あこがれは涙にゆれて
待って待ってず~~っと待って、やっと今日と言う日が来た感じがします。
収録が6月27日で1ヶ月以上経ってるし。
10代でははじめてこの番組に出演できるって 言葉では言い表せないくらい名誉な事だし 楽しみに待ってたんです。
あの野口五郎だってまだなのよ。すごいねマコちゃん!!
今日一日ニヤニヤしてたもの。
思い出しただけでうれしくなってしまって 朝だってずいぶん早く目が覚めてしまった。
まるで小さい頃 遠足に行く日みたいに興奮してるのがわかるの。
昨日の晩くらいからすでに落ち着かないし・・・。
そして見終わった今、もう何も言う事が無い満足感でいっぱいです。
本当に予想以上に素晴らしかった。
涙が出るくらいに感激して感動して すっかりマコの歌に魂を奪われたような気分でした。
マコの優しくてあたたかい人柄が出ていて 歌で希望と勇気を与えてくれるの。
な~~んてマコって素晴らしい人なんでしょう!人の心を捕らえて離さないのよ。
本当はこの素晴らしさは文章になんて表現できないので それがちょっと歯がゆいのだけど。
私は幸せ者だと感じ取れた一夜でした。
会場のNHKホールは、満員のお客様。
テレビカメラが映し出した会場を見ると 割とおかあさまって感じの人が多くてお年寄りも結構いたみたい。もちろん若い人もたくさんいたけど・・・。
あのNHKホールのきらびやかな緞帳が スーっと上がっていった時の気持ちったら 言葉で表現は出来ません。
そして「せんせい」のイントロがなって、とってもかわいいドレス姿のマコが現われたのです。
例のひばりさんからもらったって言う コシノジュンコデザインの白い靴をはいて・・・。
ゲストは東千代之介さんと西川きよしさん。
私、東さんってこれまで知らない人だったから きよしさんと一緒なのでコメディアンの人かと思ってたら、ベテランの歌舞伎役者さんでした。
きよしさんもあったかな人で、最後の最後まで“昌子ちゃんをこれからもよろしくお願いします。”って言って 冗談を言いながらも優しい言葉をずっと賭けてくださっていた。
途中きよしさんと歌った、「喜びも悲しみも幾年月」も 東さんと歌った「勘太郎月夜唄」も最高だった。
きれいに自然な感じでこぶしも回っていたし、バッチリ決まってて・・・。それに「今日も笑顔でこんにちは」を歌ったときの 東さんの“シャバシャバシャバラバラ~~”の掛け声が最高!ベテランの役者さんなのに 照れもせずにやってくれて。
ゲストが去ってからは、雰囲気がガラット変わった。
神妙な話から始まったので これまで見た事の無い 森昌子って歌手の現実をしらしめられたみたいで ドキッとしてしまった。
だって初めてマコ本人の口から これまでの自分自身の辛かったって話を聞かされたから・・・。
これまでは決して口にしなかったでしょ。
中学の卒業式のあと、すぐにみんなとわかれて テレビ局に駆けつけなくてはいけなくて 泣いてる暇も無かったくらいだったって・・・。
きっと、これで仲間と別れてしまうのに感動を分かち合ってる余裕など皆無だったのね。
人気歌手の宿命でもあるのでしょうが・・・。
そんな話をした後で歌った「少しは私に愛をください」は本当に感動的でした。
この歌は小椋佳さんの歌よね。フォークだけど小椋さんの歌って歌詞が美しくて マコの心境を表現するにはピッタリだって思った。涙が出ちゃった。
「なみだの棧橋」は3コーラス全部を歌ってくれた。
編曲がまるで違うのではじめは気が付かなかったんです。ドラマチックに編曲されてるので・・・。
すごいの、熱唱って感じで涙をいっぱい貯めて体全部の力で歌ってるようで・・・。その迫力があまりにすごいから 聞いてるこちらも体がしびれたようになってしまった。
会場から、思わず“がんばって!!”とか“日本一!!”とか掛け声がかかってたほどです。
エンディングは「この胸のしあわせを」。
これはマコのショーのエンディング用に作られたオリジナル曲です。
最高に素晴らしくて 感動してため息しか出ませんでした。
この余韻をしばらくは引きずってしまうだろうなぁ。
私は 涙でぼろぼろになって歌った後の マコの満足そうに微笑んだ顔が大好きです!!
(注:当時高校生だった私が書いた文章をほぼそのまま書き起こしてます)
この日の事、私は高校3年生で17歳だったけどすごく良く覚えてます。
朝からドキドキしてて、何だか信じられなくて、早朝に新聞が来るのを待ってました。
なぜかって、新聞の番組欄を見るまで信じられなかったから…もちろん出る事はわかっていたけど、この目で見てちゃんと確認したかった。
10代でNHKのビッグショーに出るって、あの頃はすごい事だったから。
それと同時に、ロッテ歌のアルバムの司会が出来なかったことが悔しかったです。
体調を崩してしまったのだから仕方ないのだけど…
夜のビッグショーで大感動したので帳消しになりましたけどね。
それでも今読んでいて、あれから41年も過ぎたけどちょっと悔しい(笑)
丁度ビッグショーをやった頃あたりのプロマイドかも?
ヘアスタイルがそんな感じだから。。。