『エコール』の監督ルシール・アザリロヴィックが、少年に対する医療行為を描いた映画。
映画のチラシにもクローネンバーグ監督を彷彿とさせると書いてあったのだが、なるほどなあと思った。画面の切り替わり方、人間の奇妙な動き、題材など全てが神秘的で、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『クライム・オブ・ザ・フューチャー』が思い浮かんだ。(『クライム~』のワンシーンで確か石を割ったり石にぶつかったりするシーンがあったような)そういう不思議な動きや色合いが印象的で、何故か強烈に残っているシーンがこの映画にはいくつもあって、とても印象深い作品だった。
内容も全てすっきりするのではなく、どんな意味があったんだろうとか、どういう形をしていたんだろうとか、想像できるのが良かった。最後の終わり方も素敵だった。

 

同時公開の短編『ネクター』では自然や人間の肌の美しさが映ったかと思うと、暗点して画面がチカチカしたり、ホラー映画が始まるのではないかという描写になったりと、どきっとするところが多かった。『エボリューション』、『ネクター』共に、最後のシーンの意味を考えると少し切ないような、怖いような気持ちになった。ハッピーエンドかバッドエンドか、お決まりの二つがそもそも用意されてない映画って、最後どうなるのか全く分からないから面白いな。

 

強烈に残るシーンがある映画って素敵だなあ。

ぱっと思いつくのだと
ヤンシュヴァンクマイエル監督『オテサーネク 妄想の子供』、『肉片の恋』、『ファウスト』、『アリス』
デヴィッド・クローネンバーグ監督『クライムオブザフューチャー』、『ステレオ』、『クラッシュ』
ブランドン・クローネンバーグ監督『アンチヴァイラル』
江戸川乱歩短編『芋虫』がモチーフ『キャタピラー』
『マニアック』『八仙飯店之人肉饅頭』『死の王』
あとはここ一年以内に観たものだと、『グリーンインフェルノ』とか…他にもいろいろあるんだけど思い出せない。福満しげゆき原作のカニバリズム映画『フリーキッチン』も印象的だった。

 

ブランドン・クローネンバーグ監督『アンチヴァイラル』で好きなシーン。

 

 


 

映画『アンチヴァイラル』

セレブが感染したウイルスを培養して、それを販売している世界のお話。

とってもおすすめなので、見てない方はぜひ~。