作品紹介
「人肉レストラン」
2015
粘土、ワックス、アクリル絵具
貴方は人間の肉を食べたいと思ったことはありますか?
もしくは、自分の肉を食べられたいと思ったことはありますか?
人間が人間の肉を食べる行為、習慣、嗜好をカニバリズムといいます。
カニバリズムには、性欲、飢餓、文化など、様々な種類があります。
私がカニバリズムに興味を持つようになったのは、
小学生の頃に読んだ、小説「ひとめあなたに…」(著:新井素子)がきっかけです。
この小説には、明日世界が終わると知り、
旦那の身体の一部をシチューで煮込み食べてしまう、そんな女性が描かれています。
なぜ彼女は、好きな人の肉を食べたのでしょうか?
身体の中に取り入れたいから?
ひとつになりたいから?
味わってみたくなったから…?
この女性の行動は、一つの愛の形だと思うのです。
咀嚼しながら取り込む。
切断し、美しく調理し、盛り付ける。
朦朧とする意識の中、肉を味わう。
あるいは
咀嚼されて取り込まれる。
切断され、美しく調理される。
朦朧とする意識の中、肉を味わう相手を眺めながら、死に絶える。
人間の肉を食べるということは、
禁忌で、非現実的で、とても魅惑的なもの。
現実には実現できないカニバリズムを、
粘土を通して表現したいと思っています。
麗庭リリ
HP http://reibariri.jimdo.com/
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