私たちの細胞の盛衰はおのおのその遺伝子によって決定されています。
人間の体には、体重1kgに対して平均一兆個の遺伝子があると言われています。
そのすべての遺伝子には4個の暗号で書かれたスイッチが仕組まれており、1個の
遺伝子(DNA)につき30億のスイッチがあります。
一人の人のどこの細胞から遺伝子を取っても共通の情報が記録されているわけで
すが、体のそれぞれの器官に応じてスイッチのON・OFFが決定されるのです。

ところが本来ONであるべきところがOFFのまま、もしくはONに出来る可能性
のあるところをOFFで終わらせてしまうこともあるのです。

クロ-ン牛は乳腺の細胞から遺伝子を摘出したわけですが、当初、遺伝子のスイッ
チは乳腺以外OFFのままでした。
学者は懸命に他のスイッチをON
にしようとしましたが、数十年うまくいきません
でした。

そこで、遺伝子に栄養やらずに放置したのです。
ところが、不思議なことが起こりました。
遺伝子が死ぬ間際にクロ-ン牛に必要なスイッチがすべてONになったのです。

この話を聞いてある養鶏場の社長の話を思い出しました。
鶏が卵を産まなくなったら、餌をやらないそうです。
そして鶏が餓死寸前に餌をやるのです。
そしたらどうでしょう、鶏の目が爛々と輝き、羽が生え変わり元のように卵を生み
出すとのことでした。

これは環境によって遺伝子がONになる実例ではないでしょうか。
火事場の馬鹿力なんて言葉もあります、普段眠ってる(OFF)遺伝子がONにな
ると思いもかけないことが出来る可能性があるわけです。

 私たちは苦しい環境を厭いますが、その環境のなかでしかONにならない遺伝子
があるとすれば、私たちは苦しい環境でさえ大いに歓迎できることになりはしない
でしょうか。


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