【室伏謙一】勘違いのグローバル脳から脱しよう | ☆恋する夫婦のROCKn' RIDE!☆

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「新」経世済民新聞 2024年2月20日…

室伏謙一先生の寄稿より転載致しましたヾ(・∀・)ノ

 

 

 

 昨日こんなニュースがありました。東大が新たな学部を設置するとのことで、修士課程の1年分も加えた5年間で、文理融合、授業は英語で、半分が留学生、半分が日本人、入学は秋とのことです。従来の縦割りの学問領域では解決が難しい地球規模の課題に対して解決策を導くことができる人材を育成するのだそうです。そして、秋入学とすることや授業を英語で行うこととする理由は、世界中から優秀な学生を集めるためだそうです。

 

 呆れ返りますね。まず、大学の役割を間違えていること。将来的に課題の解決ができるに人間になるとして、それはしっかりとした基礎的な能力を身につけているのみならず、善悪の判断や平衡感覚を持って物事を考えることができるためのクライテリオンを身につけているから。そのためには大学の教養課程が極めて重要で、その上に専門課程と、考える力と専門的知見を段階的に習得していくということが必要です。

 

 そもそもこれまでの大学、それも我が国の教育や高等教育の改悪が行われる前の大学出身者たちが試行錯誤しながら様々な問題、課題の解決を行ってきています。したがって、この新学部設置の問題意識も間違っているということですね。

 

 次に、英語で授業というところ。なぜ英語で授業をすれば能力が高まったり、優秀な学生が集まってきたりするのでしょうか?大学で英語で授業を受け、英語で論文やエッセイを書き、議論や発表をした経験がある者としてはっきり言いますが、全く関係ありません。そもそも高等教育で使用される英語は、日本語の場合と同様に特殊かつまさに高等なものですから、その専門の訓練を受けなければ使い物になりません。論文やエッセイの書き方一つを取っても全く異なりますし、海外からの留学生が皆それが出来るとも限りません。しかも、海外からの留学生と言っても、英語圏からとは限りませんし、おそらく英語圏よりも非英語圏、中国や韓国からの留学生が多くを占めることになるのではないでしょうか。

 

 端的に言って、英語=グローバルで、グローバルに対応するためには英語でなければといった程度の発想なのでしょう。それでは使い物にならない学生を量産するだけになるのではないでしょうか。

 

 それから、秋入学、以前東京MXテレビのモーニングクロスや、三橋TVの三橋先生との対談で解説したとおり、欧米といっても入学の時期は三者三様ですし、世界全体で見渡してもまたしかりです。おそらく多くの日本人が、「世界は9月入学で日本だけが4月入学のガラパゴス」と思っているのでしょうけれど、そうした考え方の方がよっぽど「ガラパゴス」です。

 

東京MX:

 

 

 

三橋TV:

 

 

 

 ツッコミどころ満載で、指摘すべき点は枚挙に遑がありませんが、この新学部は東大のレヴェルを更に落とすことになるでしょうね。

 

 そろそろ幻想の「グローバル脳」から脱してはいかがでしょう・・・