MFJ全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦中の
僕らD;REXですが、マシンはトライアンフの
DAYTONA 675Rです。

日本では今年二月にようやく発売する新型を走らせています。
レースは実験室、という言葉の通り、
レーシングスピードで走らせてみて
初めて分かることがたくさんあります。

どのマフラーが馬力が出るのか、
どういうクセがある車体なのか。



熟練ライダーの豊田浩史でも転びます(笑)

BabyFaceのステップやカバーが車体を守ってくれます。
このパーツも、最初はマーケットに存在しておらず、
僕らのために開発してもらいました。

そして、壊して、フィードバックします。




大人が何人も集まります。
みんなバックグラウンドがバラバラなのは当然、
考え方や性格はそれぞれです。

サーキットではなくて、
普通に学校や職場で会っていたら
果たして自然と友達になっていたかどうか。
そうじゃないんじゃないかな、と思います。

経歴や年齢が異なる男達が何人も集まって、
同じ温度感で同じ目標に向かって邁進します。
楽しくて仕方ありません。

コースを走れるのはライダー一人です。
おいしいのはライダーだけでしょうか。

そうじゃないんです。

同じ温度感の人間は、
相手の喜びや悲しみと同調して、
自分のことにようになるんです。

僕は涙腺が緩めなので、
師匠の豊田が完走するだけで泣きそうになります(笑)

ライダーが休憩中のときでも、
チームメンバーは集まってひたすら話し合います。

どうする、どうやる、こうしよう、と。
言ってしまえば、ライダー個人の趣味のお手伝いなので、
友達の遊びに付き合っているだけなのですが、
これは僕が出ていたイベントレースでも、
全日本でも一緒だと思います。

僕もスポンサー様の製品やロゴを背負っているので、
看板を背負って走る誇りや圧はありますが、
実はレースは無駄でしかないんです。

タイヤは前後で五万円前後だとします。
走行30分もせずに表面の数%が削れ、
ゴミになります。

それをレースウィークで数十万円分消化します。
僕が出られるレースは賞金は出ません。
全日本でも、仮に優勝しても経費と相殺で、
むしろ赤字確定です。

でもみんなやりたくて仕方なくて、
頑張って欲しくて、応援したくて、
手伝っちゃうんです。

ライダーの夢に共感したメンバーが集まり、
自分の夢を照らし合わせるのか、託すのか、
あるいはそれこそが自分の夢なのか、
一緒に没頭します。

同じ方向を向いて走る喜びというのは、
何歳になっても楽しいものです。

高校帰りに友達と通ったマクドナルドやカラオケ。
大学ではテニスサークルでテニス三昧。
ライバルたちと通ったモデルのレッスン。
演者とスタッフたちが一丸となって作品を作り上げる。


うまく言えませんが、浪漫でしかないレース。
浪漫ゆえに、そこに自己犠牲があり、
だからこそ生まれるものがあるんです。

それがひとの心をゆさぶるプロダクトだったり、
ひとを惹き付けるひとだったり、
特別な想いが現実の形になるんです。


やってみて、乗っかってみて、
初めて分かったことがたくさんあります。

レースは面白い。


同じところをグルグル回るだけですが、
それだけじゃないんです。



風邪薬で、鼻と喉がカラカラでお送りました。



=REI=