インプレッション風ブログを始めることにした!!
今までも、これからも色々なバイクに乗る機会があるので、
せっかくということもあって、ここでまとめていきます。
更新のペースはゆったりだとは思いますが、
よろしくお願いしますね!
バイクだけじゃなくて、クルマも登場します。
さて、
第一回はTRIUMPH SPEED TRIPLEの登場!!
MOTO NAVIの撮影のために、
メーカーから広報車を貸して頂いた。
数日間お付き合いできることとなった。
詳細なスペックはメーカーサイトや雑誌で確認して下さい。
僕の体感と心がどう動いて何を思ったかを主にしてお話します。
まず気になるのが、モデルチェンジして顔が新しくなったね!!
特徴的な丸目がトンガリ目になった。
途端に戦闘的な顔付きになった。
ほうほう、エンブレンムから察するに、1050ccなのかな。
リッターのネイキッド、
最近ではストリートファイターとも言うよね。
ハッキリ言うけども、
このスピードトリプルは、「速い」ビッグネイキッドではない。
味や音に重きを置いているように感じる。
この体格と排気量、もっと爆発的に速いバイクは他に結構ある。
コンマ何秒で語りたくなるような、
ラップタイムを刻んでいくマシンというよりも、
どれだけ気軽に気持ちよく、
というところが主なんじゃないかな。
3気筒。
とにかく全てはこれに尽きる。
3気筒は、2気筒と4気筒の間の感じとよく耳にする。
それは本当だった!
低回転域では、僕の経験則から言うと、
DUCATIやKTMのような硬い鼓動感があるし、
高回転域では、HONDAのような研ぎ澄まされたリニア感が味わえる。
スロットルを、デッド・パーシャル・フルとこじってみる。
それぞれで挙動が変わる。
それがリズムを生むよう。
二気筒はどこまでも二気筒だし、
四気筒はどこまでも四気筒でいる。
この三気筒は常に化けていく。
色んな顔を使い分けて、顔と顔とを繋げるときに物語が急展開する。
イントロ、サビ、アウトロ。
その間に、一番や二番のAメロやBメロがある。
カタカタっと駆け出し、力強い足取りで体重を軽くしていって、
最後にトルクの一発と一発の間が狭まっていって、繋がる。
今までに聴いたことのないサウンドが追いかけてくる。
その「間」が心地良い。
フォーンだとか、コーンだとか、
F1ライクなミッドの効いた鳴きでもない。
ドゥルッドゥルと低音をこねくり回すようでもない。
だけど、圧倒的な特異性と叙情性を感じる。
三気筒バイクはミュージックだ。
全体の贅沢さの割りになかなかな積載性。
書類とETCとハンドタオルが積めれば完璧。
携帯と財布だけポケットに突っ込んで、
軽装でちょいと軽く出掛けるのによくて、
バイクに乗るための準備、乗ること、億劫さを感じない。
車体の軽さと、柔らかいタッチが効いてるね。
日常の相棒としてスマートなやつ。
直線と鋭角が主張するデザイン。
トライアンフというメーカーは、
もっとおとなしい、それこそ英国紳士のような、
ジェントルなメーカーだと勝手に思ってた。
だけど、考えてみた。
一番こわいのは、鬼が怒るよりも、キレたジェントルマンだ。
乗り味は完全にマイルドでジェントルでイージー。
気難さや、シビアな信号はない。
だけど、奥のほうにエッジを感じる。
ジェントルマンをキレさせたらどうなるか知らないよ?
どこか脅しのような、ポテンシャルの囁きが聞こえる。
この要素は大事。
毎日攻めて走るわけじゃない。
峠に着くまでの、峠から帰るとき、
楽チン性能は、長く付き合う上で大事な一面。
常時全力パッション、とにかく愛で乗り切れ、燃やし尽くして燃え尽きろ!
そういう感情的な顔だけでは
長くじっくり付き合いにくいというのが僕の持論。
ついセカンドバイクを用意したくなるんじゃないかな。
一台ですべてをこなすには、余裕が大事。
普段は優しく、たまに尖ってツンとするくらいが付き合いやすい。
ただし、いざというときには応えてくれる。
そのゆとりが安心と快適性を生んでいる。
だいたい10000回転のエンジン。
鋭いナイフのように立ち上がる刻み立ち上がるトルク。
だけど意外に早々に身を引くパワー。
こいつ、なかなか腰が低いナイスガイ。
だけどそのナイスガイが、実はマッチョ。
ストリートでの戦闘力、
それはぶっとい「真ん中」が肝心。
ちょっとだけ流れよりも前に出たい、いま一発を、まさにいま。
車体を大きな傾けて揺さぶって角度を一気に変えていく、
地面に蹴りを入れてそれをきっかけにして、
ワンステップでディフェンスやパイロンを抜き去る。
そういうときに応えてくれて、僕らを助けてくれるのが、
0から12000回転の中間地点の燃焼。
三気筒が、二気筒と四気筒の間なら、
おいしい回転域も、下と上の間なのかもしれない。
下から上へエンジンがシゴトをするときに、
最も表情豊かに、声高らかに歌い叫ぶ。
三気筒のサウンドは、
五線譜を派手に下から上まで音符で埋めていくように、
加減速がとにかく楽しい。
回しっぱなしでいくなら四気筒に勝る出力の連打力はないし、
鼓動を感じたいなら単気筒・二気筒の
ピストンのヘッドバンギングほど響くものはない。
三気筒の命、それは加減速と真ん中と僕は思った。
硬いシャシー、硬いサス、ソリッドなバイク。
そうではない。
総合的に柔らかいパッケージングと考えていいと思う。
操作系のタッチや、仕上がりと質感、
ところどころに幅があるように感じる。
カツカツに突き詰めた機械というよりも、
バイクよりも、ヒトがそれでなにをするかが常に前にあるような、
人と機械が共生しやすい、大きめなギヤのような受け口。
ガンメタのフレームがエンジンを宝石のように見せる。
おしとやかなエロスをかもす。
無意味にライムしてみた。
しれっと、次に進みます。
指一本でガッキンと効くブレーキ。
だけど、ラフにカジュアルに使おうとしても、
扱いやすい。
むしろ、渋滞の東京をスラロームするときに、
指一本で気軽に制御できて簡単で快適。
毎回ブレーキレバーを握り込むのは疲れる。
信号待ち、シグナルダッシュ、巡行、
スラローム、バンク、
すべてがちょうどいい。
SPEED TRIPLEはちょうどいい。
サーキットではパワーはどれだけあっても充分ではない、
そう語った元F1パイロットがいた。
ストリート、特に都会では、
ある程度の現実的な上限があるよね。
これは街乗りベストバイク!
シートが柔らかく、車体軽く、それなりに飛ばしていい音がする、
回しても常にイレギュラーがそこここにある公道でもきちんと扱える。
三気筒が、色んなエンジンのいいとこ取りをする欲張りで、
懐の深い、なかなか気の利いたヤツ。
シート高はノーマルにしては高め。
シートが広がっててそう感じるのかもしれないけど、
座っててラクで、おしりに優しい。
幅広で高めのハンドルは、
あらゆる姿勢やフォームでバイクを曲げていける。
わざと段差やわだちを走ってみても、
前後柔らかいサスがダイレクトではないけど、いい具合に処理してくれる。
排気量が小さい三気筒ネイキッドのストリートトリプルという弟分がいる。
そっちには乗ったことがないけど、僕はこの兄貴分を薦める。
この兄貴分の筋力がちょうどいい。
もっとパワーがあってもいいくらい。
弟分だと、足りなく感じるシチュエーションがありそうに思う。
小粋で、神経質にならなくてもよく、
モーターサイクルらしい振動と音を楽しみたい人には抜群の一台。
僕だったらまずマフラーを変える、もっとミュージックを聴きたい。
そして、バックステップをつける、純正位置はくるぶしが熱い。
これで完成。
それこそ、ETCもいらないかもしれない。
それでゲリラ豪雨のように、
瞬間的に局地的にTOKYOワンダーランドをちょっと下品に派手に駆け回る。
それが僕なりの贅沢かなぁ。
僕はイギリスで育って、イギリス贔屓なところはあれど、
確かにBBCニュースの
イギリス英語の発音がロイヤルに聞こえて好きだけど、
(世界的にはアメリカ英語が標準語で、イギリス英語は訛って聞こえる)
それらをすべて抜きにしても、
このリッター三気筒マシンは、正直お金を出しても欲しいと思う。
ジェントルってキーワードを多用したけども、
実はあまりそれほど英国の香りはしなかった、それでも好きだ。
ドイツ車とイタリア車のほうがムンムンと香るケースが多いから、
比較対象がよろしくないのかもしれないのは認めます。
僕の一番機にはならないけど、
東京ストリートでは今の一番機よりも振り回しやすくて楽しいかもしれない。
サイズ、パワー、クレバーなチョイス、それがTRIUMPH SPEED TRIPLE。
立派なストリートファイター。
=REI=