金曜日は昼過ぎまでちょいとゆとりが。

久々にマイペーステキトウツーリングにいくか!
と、朝は四時に起きて出発。



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がらがらの都内から、

がらがらの東名を経て、

あっさりと秦野中井ICで降りる。


まずは名ワインディングと名高いヤビツ峠へ。








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霧でホワイトアウト。


なにも見えない。


有視界ゼロでのタイトでツイスティーな峠。



ひたすら徐行で抜ける他ない。



ヘルメットのシールドを閉じてると、

水分が張り付いて滴って見えない。


シールドを開けると、

水分がまつげにたまって、

たまにツーッと滴って、つめたいくすぐったい。


マイナスイオンたっぷりな感じは、肌には優しげ。


高速で乾燥した分を取り返した気になる。


お得。




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ヤビツ峠の中の小さな滝で一息。


ちょっとした釣りスポットでもあるみたい。



ヤビツ峠を半分越えて、

徐々に霧が晴れる。


木々のスリットから木漏れ日が降りてくる。


雲から差す光線を天使の梯子と呼ぶことに納得。



初めてヤビツ峠は冬の夕方で真っ暗だったんだけど、

八方から迫る森が天然の牙のようでこわかった。


孤立無援で悪魔に狙われてるような感覚。

背筋が凍る思いがした。

シューベルトの「魔王」よろしく。



霧を抜けて、少しずつ道を照らしてくれた明かりが、

神秘的で天使のようだった。

景色がファンタジー映画のワンシーンのようだった。



路面温度が上がってきて、

前日の雨が急速に乾いて、湯気が立っていた。


スモーク効果で臨場感は抜群。



いきなりの霧で、しかも路面は完全にウェットで、ドロドロ。

だけど、この場面で、このツーリングは絶対によくなると、

そういう予感がした。



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天気予報の通り刻一刻と雲が流れ去っていく。

ちょっと目を離して、また空を見る。


そのたびに雲が減っていった。



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オールクリア。



愛車のトルクを放つときがきた、


反撃の狼煙を上げい。


でも山火事注意だよ?




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さあ、いこうか。



綾南のエース仙道くんばりにセリフがキマる。


僕はバスケをしたほうがいいのかもしれない。




大遅刻をしても、さらりと笑顔で


「寝坊です^^」


と言えるほどの男には、まだなれてはいない。



なれる予定がないのが残念です、うんうん。




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宮ヶ瀬湖で上着を脱ぐ。


夏のきっかけがきた。


非日常感を味わっての旅、というのもある。


ずっとヒートテックonヒートテックで、

薄着でバイクに乗ることを忘れてた。



半袖で走り出して、腕に風を受けただけで、

たったそれだけのことで幸せを感じた。


大きな幸せってなんだろう。

小さな幸せはたくさん知っている。



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看板に弾痕があったことは忘れよう。


・・・。


ケンシロウか、とつっこんでムリクリ置き換えよう。




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この道が僕を半袖にさせた。



スタジオで、カメラマンにシャッター音で撃たれる。

ガシャッ、と響くアタック強めでハイが尖ってる金属音。

巧みな乗せ褒め言葉にも盾を弾かれる。

男の僕でもついつい脱いでしまってもおかしくはない。


それよりもスムーズに脱がす、日本晴れ。



だけど、受身ばかりの僕じゃない。

脱がされたんじゃない。

脱いでやったんだ。


そうだ、半袖で夏の入り口を切り取ったんだ。

それをポケットに入れて、自分だけのものにしたんだ。


してやったりでどや顔。

今日この日を走ってよかったと。



でも、アメばかりでもない。

ムチもあった。



いまだに腕だけ重度の日焼けをして、痛い。


両腕、グローブ焼け。



調子に乗ってすいません。

何度、先生にこう謝ったか。


大人になっても性格は変わらない。




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宮ヶ瀬やまなみセンターに、茶屋や土産物屋がたくさん並んでいた。

失礼だが、「千と千尋」に出てきた、

どこかあやしげな雰囲気の導入部を思い出す。




他に客はいなかった、それか。
朝早すぎでゴーストタウンだったのか。

それであやしい感じがしただけか。


他にいたのは、こいつ(ネコ科)だけだった。


人懐っこくて、僕のブーツがPUMAと知ってか、

PUMAロゴごっこをやりたがる。




次回「そして道志はアタック」につづく。




=REI=