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試乗記、伊vs.墺
のつづき。



今回はイタリア選抜、DUCATI STREETFIGHTER S編。




僕の今の愛車はBMW K1200R。


パワーとトルクはSTREETFIGHTER Sと似たようなものだから省きます。


もう充分なので、出力の量で語るものじゃないと大人の判断。




最新の速い系のバイクはもはや速過ぎて量の違いが分からないから(笑)




大きな違いとして、車重。




K1200Rで装備約250kg。


STREETFIGHTER Sが装備で約180kgとしよう。




似たようなパワーで、人間一人分の差がある。




二人乗りしてて、後ろを下ろした後の軽快さ。




翼が生えたかのような自由度。




バイクって二人乗りしちゃいけないんじゃないの?って言えちゃうほどに、


クルマにはない、バイク特有の軽さから来るダイレクト感が削られる。




今回の個人的試乗フェア開催の発端は、


一度はフルカウルのスーパースポーツ、


いわゆるスーパーバイクに乗ってみたい!ってことから。




だけど、食わず嫌いのアンチDUCATIだし、BMWは作ってないし、


国産スーパーバイクはコストと社会的制約で好みに合うのないしで。




うーん、なんだかなぁ。(阿藤さん)




ところが、巨人が動いた。




BMWがWorld Superbike Championship
に参戦すると!




まさか現行のKシリーズを1000ccで作り直して、


特殊なタマで出ないよねって思ってたら・・・




Sシリーズという新しいラインアップでS1000RRって


スーパーバイクを開発してきた!!




BMWファンとして、


これは見過ごすことは出来ない。




ここで会ったが100年目。




この文句はどういう意味なのでしょうか。




BMW初のスーパーバイクが市販される。


これは関わりたい。




思い返せば、クルマの免許を取るか取らないかくらいのときに、


日本の星、日産スカイラインGT-Rとトヨタスープラは排ガス規制という、


時代の荒波に飲まれて消えてしまった。




フェラーリF40が現役で六本木を流してたときには日本にいなかった。




タイミングのズレってあるもんです。




GT-Rは後に、兄貴から極上車を譲ってもらって、


そのタイミングのズレを取り返せたからいいものの、


BMW S1000RRに関しては、今がそのときだ!!




出会ってしまったからにはもう目を背ける事は出来ない。


これだいたい買い物のときの言い訳(笑)





そんなわけで、今S1000RRが登場するなら、


相性が合えばぜひとも乗りたい。




K1200Rの不満は敢えて言うならその重さ。


エンジンをかけてさえしまえば、ひらひらと舞うんだが、


だがね、だがですね、エンジンかけないと250kgなんです。




走行中の挙動も重さなりの重厚感があっていいとも言えるし、


まったりしてるとも言えてしまう。




今こそピュアスポーツに乗ってスポーツ走行したい気もしてきた。




K1200Rの前傾4気筒、デュオレバー、パラレバー。


他ではありえない乗り味で、好きなジャーナリスト氏の言葉を借りると、


”BMWシャワー全開”で、これはやめられない。




言っちゃえば、楽ってことで、誰が乗っても速いし、


荒々しい面白みに欠けるって点で、


上がりバイクとかオヤジバイクと言われがちなのはよく分かった。




だけど、S1000RRはどうなのか?


非常識な速さを誇る、それしか誇れない、スーパーバイクに、


しっかりとBMWのテイストはあるのか?




エンジンと足回りとボディにBMW味に期待するのは当たり前として、


旅性能が最も気になっている。




スーパーバイクは乗り手に厳しい前傾姿勢を強いるけど、


それは受け入れよう。


一日500km以上を疲れさせず、楽しくグランドツーリングさせてしまう、


旅性能、GT性能はどうなの?




純血レーサーはいらない。


僕にはハードすぎる。




GTが欲しい。


懐の深い乗り物求む。




S1000RRの国内登場は来年だとか。


楽しみにしてます。




日本仕様でパワーダウン?
全然かまいません。


トルクまでががっつり削られてたら考えます。


そこでライバル登場!!


DUCATI 1198S。


四輪に置き換えてざっくり言っちゃえば、


BMW K1200Rはポルシェ、


DUCATI スーパーバイクシリーズはフェラーリ。




両方を手元に置ければいいけど、同時に2台は愛せないので、


僕の価値観では取捨択一になる。




クルマとバイクは別腹として共存可能だけど、


クルマ同士、バイク同士の付き合いは難しい気がする。


やったことないけど、なにか不安を感じる。




まずは、乗ってみないことには妄想、机上の空論。





行ってまいりました、DUCATIディーラー。


なんと、事前に予約すれば2時間試乗というコースがあるという。


まずは挨拶がてら、ルックスの確認に。




ハッキリ言おう。


1198S、かっこよすぎて写メする余裕ナシ(笑)




ルックス問題、あっさり解決。


アンチDUCATIどこに行った?


以来、DUCATIファンを公言してます。


早速、DUCATIの雑誌を買っちゃいました。


暫定1位です。




S1000RRはモーターサイクルショーでレース仕様を見ただけ。


レースベースなんてなんでもかっこいいから判断材料に出来ない。


本当の戦いは市販仕様を肉眼で確認してから。




僕のバイク選びは基本見た目のみ。


スペックは後付。


バイクはファッションですから。




つまり着こなせないものはいらない。




逆に言えば限界まで乗りこなせなくてもいい。


デザインでどう気に入るかは個人の主観の問題だから、


議論の対象ではない。


だからこそここでは遠慮なく言わせてもらっちゃいましょう!





S1000RRレース仕様。


熱抜きのダクトが有機的で、かつ顔も体も左右非対称で、


時代をこっそり先取りしたがるBMWの思想が反映されていて、萌えよし。


機械が生きてるような艶やかな質感が好きだ。


ドイツ製品らしく、メカニカルというか、ミリタリーっぽいというか。


これは戦闘具だ。




1198S。


とにかく潔い。


無駄な造形美を稼ごうとしていない。


デザインのラフの段階から、さくっと描いて、


そのまま来れたんじゃないかと思うほど、シンプルで強い。


止まっていても速さを感じる。


イタリア製品特有の美しさ。


これは勝負服だ。





さあ、いよいよ1198S試乗が楽しみだ。




ところがその日はSTREETFIGHTER Sの試乗車があると。



なんと。

これは1198の先代の1098のエンジンをデチューンして搭載してる。



1198はスーパーバイク、


STREETFIGHTERは名前の通りストリートファイター(日本式ではネイキッド)、


味付けでそれぞれに個性を与えられてるだろうけど、


どちらもDUCATIのハイエンドモデル。


DUCATI初体験で片方が好きで片方が嫌いということもないでしょう。




ディーラーの近所をごく軽く一回り。


ごゆっくりどうぞと言ってもらえたけど、


大事なのは、官能評価、一目惚れ魔力度。




一発で惚れなきゃ、それは好きじゃない。




STREETFIGHTER Sに跨る。


細かなカテゴリ分けでは違いはあれど、


K1200Rと同じストリートファイターなのに、


BMW対DUCATI、ここまで違うか。




これは食わず嫌いしてたら勿体無い。




BMWとDUCATIを知らずしてバイクに乗るのは勿体無い。


たった一度でいいからすべてのライダーに知って欲しい。



人間はこんなにすごいものを作る。



感動。



神様は土日は休んだんだっけ、日曜だけ休んだんだっけ?


もしも最後を休まずに、週7日フル稼働でいってたら、


人間はさらにどれだけヤバイものを作れていたのだろうか、


充分でおなかいっぱいです。




(以下、K1200Rとの比較)




STREETFIGHTER Sの1098エンジン。


まいった、楽しい、惚れた。




STREETFIGHTER Sのパッケージ。


まいった、楽しい、惚れた。




STREETFIGHTER Sのルックス。


K1200Rの方が好きだ。






STREETFIGHTER Sとは縁はないようです。


だけど、確かめたかったのはDUCATIの本気エンジン。


BMWの本気エンジンとどう違うのか。


どっちが自分と合うのか。




しかし、DUCATIの思想はおそろしい。


軽い硬いボディにとりあえず速いエンジン乗っけちゃえって感じで。




そしてエンジンのその気にさせること。


ガシャガシャしててスムーズからは程遠いけど、


高回転でタレないというか、どこまでも突き抜ける感はしっかりある。




壊れそうだけど、速い、どこかに不安が匂う、


そんなチューンドに乗ってるかのような楽しさがあった。


(だからって壊れるわけではない)



これはドツボ。


昔のDUCATIはさぞやシビアで乗り手を選んで、
それはスリリングで楽しかったんだろうね。


そんなイメージが沸く。


多分これは充分にマイルドになったんだろうなって。


ただ、どうしても分からないのが、アイドリングさせて跨がってるだけで、
それだけで興奮するのはエンジンにそれだけ惚れてるから?


それとも2気筒が未知のものでわくわくしてるから?


これはもう一つのライバルに試乗して答えが出ました。

その模様は次回に。



さあ、1098エンジン。
熱かった。
ヒリヒリする楽しさがあった。


K1200Rエンジンとは方向性が真逆と言えるかもしれない。


世間のおじさんが言うわけだよ。
ドイツ人妻いるのにイタリア娘と浮気しちゃってさって。

オヤジギャグに留めておくには勿体ないくらいの分かりやすい表現。

だけど、認めてる時点で、BMWをより強く支持してる証拠でもある。

DUCATI派ならば、嫁こそイタリア人だろうがとなるのかな。

浮気するならおとなしくしてくれてる娘にしようって(笑)


男は勝手だ。

勝手だからこそ、馬鹿なマシンに惹かれる。


プロレーサーでもないのに、目指せ200馬力なんて兵器にホイホイ跨がる。


だけど理性をかろうじて取り戻して考えるならば、
果たして1198Sは僕のライフスタイルに入って来れるのか?

しばらくは仲が進まなくても、いずれ手を取り合える?

愛情の初速さえとてつもなく強ければ。


最後は1198Sの懐の深さによる。


日常の都内の狭いコース、渋滞。
そして長距離ツーリング。
楽しく乗れるのは当たり前。
そこからもう一歩を見せて欲しい。

まったく疲労を残させない、BMWの旅性能。

では1198Sの最後のカードはなに?
危ないくらいの現実逃避バカンス感をくれる?


最後の判断は1198Sに2時間みっちり乗ってからです。

もう充分に恋に堕ちたけども。


そもそも恋に程度ってあるんだっけ?



=REI=