夫が倒れる前のクリスマスは、毎年教会の当番で遅くまで教会にいなくてはいけなかったので、ケリーの散歩を早々に済ませ、夕食の準備を早めにして、あたふたと出かけるのが毎年の恒例になっていました。
それが、3年前のクリスマスは一変してしまいました。


3年前のクリスマス、かすみさんご夫婦が子ども達の為にわざわざクリスマスケーキを届けてくださり、クリスマスのお祝いをして下さいました。

その後上の2人は学校の用事で出掛け、下の娘のうっくんと華やかな立川の町を抜けて病院のICUに・・・。

相変わらず夫の意識はまだ全然戻っていませんでした。

その頃になると、どんどんICUの出口のほうにお部屋が移っていて、今考えると決して回復していたわけではなく、症状が落ち着いてきたということだけだったのですが、出口に近づいてきているようで嬉しかったという記憶があります。

ICUの看護師さんに「今日は熱もなく落ち着いているので、髪を洗わせてもらいました。」と言われ「私が、ICUで担当していた患者さんに、当初意識もなく大変な症状だったけど、今はお父さんと一緒にビアノの発表会に出られるまでに回復された方もいらっしゃいますよ。」というお話しもして下さいました。

先生との話は、夢も希望もなく辛いばかりだったような気がしますが、ICUの看護師さんや、一般病棟の看護師さんには本当に沢山の親切や、励ましをいただきました。ICUの面会は15分と決まっていましたが、「もう少し大丈夫ですよ。」と、言ってくださる看護師さんもいらっしゃいました。


その日は、近くの公園でクリスマスの花火も予定されていて、みんなが温かい気持ちで公園に向かう波に逆らうように、娘と二人「今日も生きていて良かった。」という気持ちだけで、重苦しく駅に向かいました。

帰りの駅地下でとにかく何か口にいれなくては、と思い、お弁当を買って帰ったことを、なぜか昨日の事のように思い出されます。


昨日、夫の強い希望で4年ぶりに(夫は初めてですが)教会のクリスマスミサに行って来ました。娘の洗礼式に出席して「絶対、今後この中に足を踏み入れることはないかも。」と言っていた夫が「こうやって生きているのも神様が助けてくれたと思うから、是非クリスマスにお礼が言いたい。」と・・・。

2人で、教会に行くのは私のかねてからの夢でしたが、まさかこんな形で実現するとは思っても見ませんでした。

教会の、神父さまも、お仲間もとても温かく迎えて下さって、最初から事情を知っている町田さんは、夫の回復に涙して下さいました。

こうやって、生きていることに感謝です。

ニシのブログ-クリスマス