この数ヵ月でハマってしまったBL 漫画。

ヨネダコウ先生の『囀る鳥は羽ばたかない』

連載はかなり前からで、相当なファン数も有している漫画なのに、やっと最近知ったことに悔しさすら覚える。

実は元々BLには興味が向いて来なかった。

しかしたまたま知った、知ってしまった。たかが漫画と侮るなかれ。読んだら沼落ち間違いなしの名作漫画なのだ。


何がこの漫画の魅力かって?(既にファンの皆々様が沢山魅力を語っておられるので、にわかの私が・・・という感じではあるのだが、是非とも語らせて頂きたい)


舞台はヤクザの男世界。主人公の矢代は容姿端麗、頭の切れる若頭。そこだけ見ればよくあるヤクザ漫画。ところが矢代はそんな男ばかりの世界で男無しでは生きられない男色家。ドMで変態、淫乱ネコで公衆便所とまで評される今までにちょっとないタイプの人物なのだ。

その上、主人公だけじゃなく登場人物が皆魅力的な男達。悪者ですら個性が立ってて魅力的なのだ。


そしてもう一人の主人公。訳あってヤクザに身を落とすことになり、しもべのように矢代に仕える百目鬼(どうめき)。

男色家の矢代とは対極にいるインポのしもべ。

男好きな色男と、無口なインポの男という関係性から始まる設定の妙!


そして何より多くのファンが魅力を感じているであろう部分は、もの悲しい過去を抱えた登場人物達が語るモノローグの切なさにあると思っている。

そして、そのモノローグだけでは消化しきれない複雑な感情を、無条件に読み手側も必ず共感し思考させられてしまうのだ。

私は読み手側の数だけ登場人物への共感や拒絶があると思っている。

登場人物達の側に立って、彼らと同じように悩んで考えて、傷つかなくては読めない漫画だ。

読んでいる間はまるで自分が矢代であり百目鬼であり、その他の登場人物になりきれてしまう、逆に言うならなりきらないと読み進められない程の共感型漫画とでもいうべきか?


漫画ぐらいで大袈裟なと思われるかもしれないが、女子は幾つになっても切ない共感が大好きな生き物なのだ。そこを上手くつかれてしまうと、もう夢中にならない理由がない!


まだまだこれから回を重ねて語って行きたい名作だ。


そしてこれはまさしくBL ノワールの金字塔作品だと言い切ってしまおう!


(おまけ情報)

既にファンはご存知だろうが、この10/1に待望のコミック9巻が発売されるのだ♪

ローソンHMV&BOOKSにて、限定BOX版仕様を早速予約してしまった。今から楽しみしかない♪