れーよん! | 山本清風のリハビログ
 レーヨン素材の主張する冬枯れした街をゆく。ホワイトキーを探すのが先か鈴木あみを探すのが先か、決めかねるまま足向くままに万歩計、買っておけばよかった。



 そもそも私は静電気が難儀しており、机のひき手・ロッカー・ファクシミリのねじ・CDドライブの中心・ご婦人の指・脱衣・エトセトラエレクトラ、に至るまで触れるものはみなみな弾け、自分はそのたび視線が遠ざかっていたのである。



「なに遠い眼してるんですか」
「眼を、休めています」
 ゲルニカの増殖にデスクはオーガニック弁当が敷き詰められ、会話は合同コンパニーへと彩られてゆく。鈴木あみはどうしたのだ、きもち似ている市川由衣は先刻猫の背に搭乗していたのだが。



 そしてホワイトキーは何処(いずこ)に。