こんにちは!たっくです!

 

最近一気に寒くなってきましたね。

一気に冬の気温になってきたので、体調には十分に気をつけていきたいです。

 

 

先日も、作業療法士として家屋訪問にお伺いさせていただき、住宅改修案をご提案する機会がありました。

 

そんな中ふと思ったことがありました。

 

「なんで家には、こんなに段差があるんだろう。」

 

 

段差があるほど転倒リスクがある!

 

だからなるべく取る必要があるよね!

 

 

今まではそう思っていましたが、

 

建築的な視点で考えると、なんで段差が必要なんだろう

 

と考え、今回、色々調べてみました。

 

 

すると、今までは医療的な視点でしか考えてきませんでしたが、

 

建築的な視点で考えると、段差も重要になることを学びました!

 

 

そこで今回は、

 

「なぜ住宅内には段差があるのか」

 

を解明していきたいと思います!

 

 

特に、住宅改修に関わる療法士や医療従事者にとっては、

 

頭の片隅にでも置いておいても良い知識になるのではないでしょうか?

 

 

 

 

目次:

・段差の正体

 ①玄関の段差

 ②水回りの段差

 ③ドア下の段差

 ④畳からフローリングの段差(敷居)

・まとめ

 

 

 

 

  段差の正体

 

①玄関の段差 

 

○玄関に段差がある理由

 

日本は高温多湿な島国であるため、建物の下にも湿気が溜まりやすい気候となっています。

 

そのため、湿気が抜けやすいように、昔から建物の下には隙間ができるような構造となっています。

 

日本の住宅は、古来より木造が多く、

 

木造だと湿気で木が腐りやすいので、そういった知恵が生かされているんですね。

 

 

現在は、「建築基準法」により、1階居室の木造床面は、原則として地面から450mm以上高くするように定められています。

 

そのため、玄関には上がり框という段差があるのですね。

 

 

他にも、

 

・段差があることによって外から風が吹いた時にゴミが室内に入らないように

 

・靴を脱いだり履いたりする際に一度座ることができるように

 

など、

 

機能的に役立つ場面や、日本古来の習慣として段差が設けられていることもあるようです。

 

 

 

 

水回りの段差

 

○水回りに段差がある理由

○段差解消法

 

主に、台所の周辺、トイレや浴室の入り口に段差を見かけませんか?

 

 

それには、大切な理由があるのです。

 

 

水回りの設備では、最終的に水を排出する必要があります。

 

水は、排水管を通って住宅外へと処理されますが、水がスムーズに流れるように排水管は一定の勾配を取る必要があります。

 

排水管は主に床下を通っているため、結果、排水管のスペースを考慮すると段差ができるのですね。

 

 

ちなみに排水管の勾配は、管の直径によって最小勾配が定められています。

 

住宅では、直径50~100mmの物を使うことが多く、

 

直径65mm以下であれば、最小勾配が1/50°(1mで2cm下がる)

 

直径75、100mmであれば、最小勾配1/100 (1mで1cm下がる)

 

と、定められているようです。

 

 

水回りの段差を解消する方法として、

 

・建物内部を大幅に作り変える「スケルトンリノベーション」を行い、床に段差ができないように排水管の位置を変える方法

 

・「置床工法」という、部屋全体の床を少し高くする方法

 

などがあげられます。

 

 

 

 

③ドア下の段差(くつずり)

 

○くつずりがある理由

○段差解消法

 

沓摺り(くつずり)とは、ドアの枠の下部に当たる箇所を指しています。

 

 

 

現代は、玄関ドアや防音室のドアなど、気密性が要求されるドアに関しては、床の隙間を埋めるために設置されていますが、最近はバリアフリーの観点から室内のドアには設けられていな場合も多いようです。

 

 

くつずりの解消法として、リフォームで撤去が可能とのことです。

 

その場合は、くつずりがついていた部分の補修が必要になるため、リフォームする際は施工業者様に相談しみてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

④和室からフローリングの段差(敷居)

 

○和室からフローリングの段差がある理由

○転倒の対処法や、段差の解消法

 

和室からフローリングにかけての段差は、畳の厚みがあるためどうしても数センチの段差があります。

 

 

 

数センチとわずかな段差ですが、気にせずに歩いていると気が付かずにつまずき、転倒する危険があります。

 

段差は、5mmあるとつまずくと言われており、実際は3mm以上は危険と言われています。

 

 

そのため転倒の対策として、段差を認識できるように色付きのテープを貼り付けて注意できるようにすることも一つの手です。

 

また、住宅改修にて和室を洋室に変更する方法や、福祉用具のスロープを用いて解消する方法があります。

 

 

 

 

  まとめ

 

今回は、住宅内にある段差がある理由について調べてご紹介させていただきました。

 

段差がある理由として、

 

・玄関の段差は、日本の気候の関係や建築基準法が関係している

 

・水回りの段差は、排水管の配置が関係している

 

・くつずりは、室内の気密性を高めるために設置されている

 
・和室からフローリングの段差は、畳の分厚さが関係している

 

 

場合によっては、違う理由で段差を設置している場合もありますが、知識として大変勉強になりました。

 

これらの知識は、住宅改修に関わる療法士や医療従事者も知っておくと、住宅改修案を提案する際に少しお役に立つのではないでしょうか?

 

 

今回もブログを読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

〈参考・引用文献〉

・新谷尚紀.”なぜ日本には玄関があり、敷居があるのですか?”. 國學院大学メディア. 2015/9/24. https://www.kokugakuin.ac.jp/article/11129(参照2023/12/27)

・上江洲規子.“靴を脱ぐのは日本だけ?玄関の歴史としつらえ”. LIFULL HOME’S PRESS.2016/7/3. https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00359/,(参照2023/12/27)

・長井良至.”床下の排水管が逆勾配”. 日経XTECH. 2019/10/21. https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/hb/18/00004/101700011/, (参照2023/12/27)

・スプリングJOURNAL.”マンション室内の段差の正体とは?解消できる??”. みつけて、リノベする スプリノベ. 2022/7/13. https://www.spring-renovation.jp/journal/4928/, (参照2023/12/27)

・”くつずり(くつずり)とは”. L I X I L. https://www.lixil.co.jp/reform/yougo/kouhou/shitsunai/13.htm#:~:text=ずり)とは-,くつずり(くつずり)とは,ないことも多いです%E3%80%82, (参照2023/12/27)

・”お家の見落としがちな段差3選! 解消法とその注意点”. リフォームのTAKEUCHI. https://www.takeuchi-reform.com/staff_blog/2022/11/23/39612/, (2023/12/27)

・高山彰彦. “歩行介助の正しい知識|あなたのための介護技術 基本編(6). 介護の仕事にすぐ効くメディア We介護. 2023/1/31. https://kaigo.ten-navi.com/article/490, (参照2023/12/27)