こんにちは!たっくです!

 

 

賃貸住宅を借りる際に、「高齢になった時のことを考えると、どんな住宅環境が良いのだろう」と考えたことはありませんか?

 

今回の記事は、たっくが住む賃貸住宅を例として、高齢者や車椅子ユーザーにとって安心・安全なのか、一個人の意見としてご紹介させていただきます。

 

今回は、「共用廊下編」です!

 

 

今回の記事は、ほとんど車椅子ユーザーの目線で書いている内容が多いです。

 

そのため、自分は車椅子ユーザーじゃないから関係ないと思わるかもしれません。

 

しかし亡くなる間際まで、100%元気で歩ける状態かはわかりません。

 

自分や同居者が、脳卒中や足の骨折などで車椅子生活となる可能性は、十分にあります。

 

どれだけ大きなご病気をされても、認知症の方でも、ご自宅で過ごしたい気持ちは最後まである方が多くいらっしゃいます。

 

実際に、車椅子生活でも元気に過ごせるのに、住宅環境が原因で自宅へ帰れずに施設へ行かれた方を、たくさん見てきました。

 

また、退院前の住宅環境を調整する際に、「家を建てる時に、車椅子のことまで考えてなかった。もっと考えておけばよかった。」という意見を、ものすごくたくさんお聞きしました!

 

そのため、今後も長く住む予定のある住宅を選ぶ際、あらかじめ車椅子ユーザーになった時を考慮することは、たっくの個人的な意見として大切なことだと思います!

 

 

今回の記事を読んで、賃貸住宅を選ぶ際に、たっくの意見を少しでもご参考にしていただけると幸いです!

 

 

 

 

目次           

・たっくの賃貸住宅の共用廊下環境

・廊下の幅が狭い!

・スロープの設置の注意点

・過去の事例

・まとめ

 

たっくの賃貸住宅の共用廊下環境

 

 

 

 

まずは、共用廊下を見てください。

 

 

 

皆様はどのような印象を持たれましたか?

 

私は、割とシンプルな構造で、割と広いと思っております。

 

たっく宅は、写真の左側です。写真右側には、2Fへの階段があります。

 

玄関から階段の左側の部分までは150cmほどあり、割と広々としています。

 

引越の際に、500Lの冷蔵庫、ドラム式洗濯機、3人掛けソファーなど、割と大きな家具を搬入しましたが、どれもスムーズに搬入することができました(学生時代に引越のアルバイトを5年ほど行っていたため、その経験からスムーズに実施できたと思いました)。

 

それほどスペースは確保できており、割と広い廊下という印象です。

 

 

ですが、車椅子ユーザーにとっては、「これはどうだろうな」というところが出てきました...

 

皆様は、どこかわかりますか?

 

ここは嫌だなと思うところはありますか?

 

 

 

 

 廊下の幅が狭い!

 

 

えっ!?

 

さっき、広いって言ってなかった?

 

たっくも最初はそう思っていました。

 

ですが、車椅子ユーザーが住みやすいか考えると、どうだろうと思いました。

 

 

まず玄関扉の下側をご覧ください。

 

 

 

玄関ドアの下に、白い板のようなものがありますよね。

 

実はこれは、15cmの段差です。

 

足腰が丈夫な方にとっては特に気にならないですが、車椅子ユーザーの場合はどうでしょうか?

 

 

車椅子を自走する方にとって15cmの段差を乗り越えることは、かなり危険です。

 

一般的に、車椅子を自走する方が乗り越えることができる段差の高さは、10mm以下と言われています。

 

 

次は、介助者が車椅子を操作して、段差を昇る方法を想定してみます。

 

方法として、前向きで段差を乗り越える時は、足元のステッピングバー(車椅子の後ろ側についているバー)を足で踏み込んで、ハンドグリップ(介助者が車椅子を押すハンドル)を、両手で地面の方向に押さえます。

 

前輪が上がった状態になったら、前輪を段に乗せて、後輪を持ち上げる方法です。

 

この方法で、15cmの段差を乗り越えようとすると、前輪を15cm持ち上げる必要があります。

 

これには相当の力が必要となるため、介助者はかなり大変です。

 

また、車椅子に乗っている方は、体が後ろに倒れそうになるという感覚に陥り、驚かせてしまう可能性があります。

 

実際に私も経験しましたが、車椅子が後ろに倒れることがわかっていても、かなり怖かったです。

 

 

これらのことから、15cmの段差を乗り越えることには、かなりの労力が必要ということがわかりました。

 

 

ではどう解決するのか?

 

スロープを設置してみてはどうでしょうか!

 

 

 

 

 

 スロープの設置の注意点

 

 

スロープを設置する際にまず考えることは、段差の高さと、どれほどの長さのスロープが必要かです。

 

 

今回の例で言うと、段差が15cmの場合、車椅子を自走できる方であればスロープの長さが180cmほど必要となります(段差高の約12倍を想定)。

 

また、介助によりスロープを上る場合は、90cmほど必要となります(段差高の約6倍を想定)。

 

たっくの玄関から150cm先には階段があるため、車椅子を自走する方のスロープ(180cm)は、そもそも設置困難です。

 

 

では、介助でスロープを上る方はどうでしょうか。

 

介助で上る場合は、90cmのスロープが必要なため、玄関前に設置は可能となります。

 

 

だったらこれで解決! 

 

ではないんです...

 

意外な落とし穴が隠れていました...

 

 

まず、屋外から来て玄関内に入るには、90°の方向転換が必要です。

 

車椅子の方向転換に必要なスペースって、皆様どれくらい必要かご存じでしょうか?

 

実は、車椅子がその場で90°方向転換する場合、150cm×150cmの幅が必要と言われています。※画像左側の図をご参照ください。

 

引用元:2016.10月号 車いす使用に必要なスペース U-CAN福祉住環境コーディネーター講座【指導部だより】

 

 

ましてや高齢者の場合、腕の力が低下している事や、車椅子の周辺との距離感が掴めない事などにより、車椅子をうまく操作できない方もいらっしゃいます。

 

すると、車椅子が方向転換時に大回りになってしまうため、150cm以上のスペースが必要になる方もいらっしゃいます。

 

そのため、車椅子の方向転換のことを想定すると、玄関前から階段までの幅が、最低でも240cm(150cm+90cm)必要となります。

 

当初は150cmも幅があるため意外と広いと思いましたが、スロープのことを考えると、まだまだ狭い環境になっていました。

 

 

なぜ、たっくの賃貸住宅の共用廊下幅が150cmなのかはわかりませんが、車椅子を方向転換するためには150cmが必要とのことでこの設計をされたのであれば、大きな落とし穴だったのかもしれません。

 

(あくまで想像でお話していますので、もし違っていたら大変申し訳ありませんm(__)m)

 

 

解決策としては、賃貸物件を選ぶ際に、

 

 
・玄関ドア下に段差がないところ
 
・スロープ設置を考慮し共用廊下部分を240cm以上の幅のところ
 
・廊下から一直線で玄関内に入れる部屋

 

を選択することが良いかと思われます。

 

たっくの賃貸でしたら、奥の部屋に住むことで解決できますね。

 

 

 

 

ちなみに共用廊下の幅は、建築基準法で最低でも120cm(両側に居室がある場合は160cm)は必要となっているみたいですが、120cmの廊下幅では車椅子の方向転換がしにくくなる可能性があります。

 

 

 

 

 過去の事例

 

 

共用廊下ではなく一軒家のお話ですが、今回の記事に似たような内容ですので、読んでいただけると幸いです(^人^)

 

 

以前担当させていただいた方で、車椅子を自走する方がいらっしゃいました。

 

その方は、自宅内の土間を、一直線に5mほど進んで、右側にある自室へ90°方向転換して移動する必要がありました。

 

自室に入る際に、10cmの段差を上る必要があったので、スロープの設置を検討しました。

 

しかし、スロープを設置すると、自室から反対側(土間を直進して左側)に食器棚を置いてあり、スロープの先端と食器棚の間は100cmもありませんでした。

 

つまり、車椅子を90°方向転換するスペースがありません。

 

そのため、食器棚を移動させることにより、150cm以上のスペースができたため、車椅子をスムーズに方向転換させてスロープを上ることができたという経験があります。

 

 

これらの話から、

 

スロープを設置する際は、段差の高さやスロープの長さだけでなく、

 

車椅子のスペースも考慮する必要があります!!

 

 

 

廊下幅を測らずに契約後、いざ車椅子で玄関に入ろうとした際に、

「車椅子を方向転換できない」とならないように、チェックしておきましょう!!

 

 

 

 まとめ

 

 

今回の記事はいかがだったでしょうか?

 

至って普通の綺麗なデザイン住宅でも、高齢者や車椅子ユーザーにとっては、落とし穴が意外とたくさんありましたね!

 

そのため、高齢になった時のことを考えて住宅を選択する場合は、自分の体が弱ってしまった時や、車椅子ユーザーになった時のことを考慮し、その状態に見合った環境になっているかを、あらかじめ考えておくことが大切だと思います。

 

 

今回は、すごく長くなってしまいましたね。

 

これで終わりにしたいと思います。

 

今回もブログを読んでいただき、ありがとうございました!