賞与は、「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの(通達)」と定義されます本件報奨金は、「年収は今まで(前社で)もらっていた額で据え置きになるが、○○○○万円の売り上げを達成すれば報奨金として3月に○○○万円のボーナスを支払う」とのことなので、前社の賃金との差額をあなたの実績に応じて埋め合わせる性質を有しますが、支給額も支給時期も支給条件も事前に確定しており、賞与の定義には該当しません。しかしながら、性質上「臨時の賃金等」に該当します。
 
次に、本件では、「○○○○万円の売り上げを達成」することが「報奨金として3月に○○○万円のボーナスを支払う」ことの停止条件です(民法127条1項)から、○○○○万円の売り上げを達成」という停止条件の成就により会社側には報奨金の支払義務が生じます。そして、3月の時点で会社側が「支払いは夏まで待って欲しい」と返答したのですから、会社側は、契約の存在及び条件の成就を再確認しています。

ところで、あなたが今月になり再度確認した時、「口約束だし、当時の担当者が退職しているし、そもそも会社にお金がないから払えない」と返答したとのことです。しかしながら、たとえ口約束でも契約は成立しますし、会社側は契約の存在を再確認しています。また、「当時の担当者が退職して」いても、あなたと会社との間に労働契約が成立していますから関係ありません。さらに、本件報奨金は、「会社の業績」を支給条件にしておらず、○○○○万円の売り上げを達成」することが「報奨金として3月に○○○万円のボーナスを支払う」ことの停止条件ですから、「会社にお金がない」という理由は報奨金不支給の正当な理由にはなりません。したがって、あなたは賃金として会社に報奨金の支払を請求できます。
 
仮に会社側が報奨金を支払わなければ、賃金の不払いとして労働基準法違反となります(労働基準法24条、120条1号)。また、会社側は、労働契約の締結に際し、労働者に対して労働条件を明示した書面を交付することを義務付けており(労働基準法15条1項、120条1号、労働基準法施行規則5条3項)、これには「臨時の賃金等」も含まれます(同規則5条1項5号)。そこで、労働基準監督署に報奨金の支払を求める申告することをお勧めします(同法104条)。