1、 日本と世界の有名大学の各ランキング表における比較(1)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16459110.html)
2、 日本と世界の有名大学の各ランキング表における比較(2)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16459116.html)
3、 日本と世界の有名大学の各ランキング表における比較(3)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16459121.html)
朝日新聞2008年4月1日ウェブ版「全入時代:上位狙いか疑問視か 海外発「世界大学ランキング」によれば、当時の東京大学の小宮山宏総長は「ランキングの多くは恣意的で、順位に一喜一憂するのは本末転倒・・・」と挨拶し、浜田純一副学長も「ランキングは教育など大学の総合力を正確に反映しているわけではない。むしろ、似ている大学と比べることで長所や短所をはっきりさせた方が有益だ」とコメントしました。
同紙によれば、「『世界の知の頂点を目指す』(小宮山総長)東大だが、英紙タイムズの07年のランキング(以下同じ)では17位。専門家評価は百点満点だが、国際性が50点以下なのが弱点だ。最近力を入れている国際化は『順位上昇作戦』にも見えるが、浜田副学長は『総合力ではすでに世界の10位以内だと思っている。ランキングの上昇自体が目的の努力をするつもりはない』」とのことでした。現在は、2007年当時のタイムズ紙の世界大学ランキング表は、QS(イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社)」世界大学ランキング)とTHES(The Times Higher Education世界大学ランキング:イギリス・タイムズ紙)の2つに分割されています。
ところで、東京大学は、THE-TR(The Times Higher Education世界大学ランキング:イギリス・タイムズ紙)2011-2012年度版によれば、世界第30位、QS(イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社)」世界大学ランキング)によれば、世界第25位で上記世界第17位から更にランクが下がっています。東大当局も国際性という点が弱点であることを認めています。確かに、中国、韓国及び東南アジア諸国でも、教育水準の高い富裕層は、日本の大学を飛び越してアメリカのメジャーの大学・大学院、特にハーバード大学・大学院を目標としているという話はよく耳にします。
これは英語による学術用語の蓄積が最も多く国際的に研究論文は主に英語で発表される必要があるにもかかわらず、英語による研究及び講義が日本の大学には極めて少なく、留学生や研究者が日本での教育・研究を敬遠していることに一因があります(日本語を母国語とする者のTOEFL平均スコアは世界第103位、アジア30カ国中27位)。また、日本の社会的な特異性・閉鎖性にも原因があると考えられます。そして、これを反映するかのように「日本で生活するのに英語は必要ない」などと言っている日本人の方々がかなりいます。しかしながら、日本のような主要資源自給率がゼロに等しく食料自給率も低い国が海外とコミュニケーションを取れなければ経済的に破綻するしかありませんし、「日本で生活するのに英語は必要ない」と言っている方々が他の中国語や韓国語等のアジア系の外国語ができるかといえば、それもできず、結局、外国語能力が皆無という場合がほとんどですから、これらの方々が現実的に物事を考えているとは言えません。
ちなみに、Academic Ranking of World Universities (上海交通大学2012年度)によれば、東京大学は、自然科学系の学術水準は高いですが、社会科学系の学術水準はそれほど高くありません。これは日本の大学の文科系が公務員・労働者養成を主要目的としているからだと考えられます。率直に言えば、日本の大学文科系は、公務員予備校・就職予備校であり、大学の偏差値(入学難易度)により就職の有利不利が左右されます。特に東京大学文科系は、官僚養成学校の様相を呈しています。また、司法試験合格者数を多数輩出している大学も基本的には法曹養成を目的とした職業訓練学校の性質を有しています。日本の大学の文科系を考察すると、大学入学難易度(偏差値)で基本的に就職実績が決まり、大学での研究・講義の成果はその延長線上にあるにすぎないと思われます。実際に、大卒就職戦線での成功は、大学での成績や活動実績よりもむしろ教授、OB及びゼミ等のコネが重要な場合が多々あります(勿論、建前は成績重視・人物重視となっています)。
先の朝日新聞の記事によれば、「慶応大(当時世界第161位)は安西祐一郎塾長が05年、日本の大学のトップとしては初めてタイムズの編集部を訪れて算出の基準などを尋ね、そのころから塾長の海外出張を約2.5倍に増やした。坂本達哉常任理事は『慶応の国際的な存在感が高まり、結果としてランキングにもプラスに働いているかもしれない。50位に近づきたい』」と述べられています。ところが、現在では、慶応大学は、THE-TR(The Times Higher Education世界大学ランキング:イギリス・タイムズ紙)2011-2012年度版によれば、世界第301-350位、QS(イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社)」世界大学ランキング)によれば、世界第188位で前記161位から更にランクが下がっています。
当時、安西塾長がいかなる理由でタイムズ社を訪問したのか明確な理由は理解に苦しみますが、自身の言われるように「タイムズの編集部を訪れて算出の基準などを尋ね」ることだけが目的だったとは思えません。算出基準を尋ねるだけでしたら、電話、Eメール又は文書等でも十分に可能なので、恐らくは安西塾長の訪英は広報・宣伝活動の目的を兼ねていたものと推測されます。しかしながら、上記「日本と世界の有名大学の各ランキング表における比較(1)~(3)」(欧米に偏重せず世界の諸文明を代表する)上における慶応大学に対する評価及び慶応大学出身のノーベル賞受賞者が皆無であること等を考慮すれば、安西塾長には納得していただくしかないと思われます(この点に関し、偏差値の意味を誤解している人々がかなりおり、偏差値は学術水準を図る尺度ではなく模試データを基礎にした大学入学可能性を表す数値です。また、就職実績は、必ずしも学術的要素を反映せず企業内勢力や人的ネットワークを反映する場合も多いことを忘れることはできません)。