決意
あれはいつごろだったでしょうか。
「君が将来、何かの場面で,たとえば、大学生・会社員・結婚する時・母になり我が子を抱いている時・子供と語り合っている時、『やっぱり、私はあの時,結果はどうであれ、あの高校を受験しておけばよかった。』という気持ちが一瞬でも頭によぎると思うならば,第1志望校は譲ってはいけない。受験すべきだ。」
この言葉は,10月に併願校の私立高校を決め、公立高校をどこに設定するか悩んでいた生徒に向けた言葉です.公立第2志望校は実力・内申予想では十二分に足りていました.しかし、夢にまで見ている公立第1志望校は五分五分といったところでした。いろいろとその生徒と話し合い、最後に、その生徒の心の深い部分に訴え、決意を促しました。
それ以降、その生徒は明らかに目つきが変わり,第1志望校に向け,さらなる猛勉強が始まりました.とにかく問題集という問題集はことごとくやり抜いていきました.
そのエネルギーの発露たるや近くにいて鬼気迫るものがありました.その努力が受験の神様に届いたのでしょう。学校の通知表は軒並み上がりました.堂々と、公立第一志望校と戦える内申点です。あとは入試本番までどれだけ実力が伸びていくかにかかってきました.
受験突入。発表までの息詰る日々。
そして,合格・・・.
生徒は満面の笑み.
そして,ポツリと一言.「先生、私.これで何か心に持ったままで行かなくて・・・・」と.あとは涙でした.自分の人生のひとコマの納得に向けて、自分自身の手で決着をつけた瞬間でした。
この例は絵に描いたようなサクセス・ストーリーですが、生徒とは何かの方向が定まり、何かを思い、決意することでその道のりは苦しくとも自分のエネルギーの限りを尽くすものである、と改めて私たちに示してくれた気がします.
受験期は独特な時期です.その生徒の人間性が鮮やかに出てきます.あこがれ・願い・祈り。時・場所を選ばずに,人間と人間・本音と本音のぶつかり合いもおこります.私たちはその現場で,生徒たちの熱い決意を導き出し、熱い支援を送りたいと思います。