はじめに
姿勢を整えるというと、何か特別なことをする時間だと思われがちです。
でも、トレーニング中だけ姿勢を整えても、一日のうちの数十分です。残りの時間をどう過ごしているかのほうが、体にははるかに大きく影響します。
立つ、座る、歩く、しゃがむ。何気なく繰り返している動作ですが、膝で捉えているか、股関節で捉えているかで、負担はまったく変わります。
今回は、日常のあらゆる動作を股関節で捉えて、体への負担を減らして軽やかに生きる、というテーマでお話しします。
姿勢矯正トレーナー Regulusの星子豊英です。
膝で立つか、股関節で立つか
まず、椅子からの立ち上がりで、違いを感じてみてください。
膝で立とうとすると、先に膝が伸びます。そのあとを追いかけて、体が起き上がる。膝に負担が集中する動き方です。
股関節で立つと、膝の伸びと立ち上がりが、同時に行きます。股関節を支点にして、体がすっと起きていく。膝に負担はかかりません。
同じ「椅子から立つ」動作でも、中身がまったく違います。
そして、この違いが、一日の中で何十回、何百回と繰り返されています。積み重なった差が、腰や膝や足首の痛みになっていきます。
しゃがむ、立ち上がる
床に落ちたものを拾う。冷蔵庫を開ける。子どもの目線まで降りる。
日常の中で、しゃがむ動作は意外と多いです。
膝でしゃがむと、体が前のめりになったり、後ろに倒れそうになったりします。太ももとふくらはぎに常に力が入って、立ち上がるたびにつらい。
股関節で捉えると、楽にしゃがめます。そして、楽に立ち上がれます。
ポイントは同じです。膝が先に動くのではなく、股関節を支点にして、全身が同時に動くこと。
これができないと、膝と足首に負担が集中して、太もももふくらはぎも常に働きっぱなしになります。だから、脚が痩せません。
キッチンでの立ち姿勢
料理をしているとき、膝がピンと伸びて、かかと側に重心が落ちていませんか。
その状態は、立っているだけで反り腰を作っています。
太ももとふくらはぎに力が入り、首と肩にも力が入る。長時間のキッチン仕事で疲れるのは、作業時間のせいではなく、姿勢のせいです。
整え方は、立ち方と同じです。少し膝を緩めて、母趾球に乗せる。少しだけ前傾する。
最初は違和感があると思います。でも、この意識でキッチンに立つと、終わったあとの疲労がまったく変わります。
歯磨きのときにも使えます
歯磨き中、鏡の前で立っているとき。
いつもと同じ姿勢で、膝がピンと伸びていないか確かめてみてください。
少し膝を緩めて、母趾球に乗せる。この姿勢で歯を磨くだけでも、股関節重心のいい練習になります。
さらに、足もとに、お勧めしているjustrelaxのマットを敷くと、自然に骨盤前傾の姿勢が整います。毎日、必ずやる動作なので、積み重ねの効果は大きいです。
座り姿勢とデスクワーク
座り方には、思い込みがあります。
「骨盤を立ててまっすぐ座りなさい」とよく言われます。でも、実は少し前傾したほうが楽です。
骨盤がまっすぐだと、首と肩に力が入ります。少し前傾させると、股関節に重心が乗り、首と肩の力が抜けていきます。
机の角度は、肘が90度になる位置。モニターは、少し見下ろす位置。首は少しだけ前に。
この姿勢で座れると、8時間のデスクワークでも体に負担が残らなくなります。
腸腰筋と胸椎が柔らかいと、何が変わるか
ここまでお伝えした動作は、全部つながっています。
共通しているのは、骨盤前傾のまま、胴体がすっと起きていること。
腸腰筋と胸椎が柔らかいからこそ、この姿勢が保てます。固まっている方は、前傾しようとすると腰が張ってしまう。だから、胴体の癒着を取ることが先です。
1日10分の時短コンディショニング。椅子の体操、バランスボード、チューブ。
これを続けていくと、1ヶ月、3ヶ月、半年と経つうちに、胴体が柔らかくなり、股関節重心のまま上体が自然に起き上がる体になっていきます。
重いものの持ち方
重いものを持つときのコツは、2つだけです。
ひとつ目、腰を反らないこと。腰を反って持ち上げるのは、腰痛の原因です。
ふたつ目、母趾球で床を最後まで捕まえること。かかと側に行くと、腰に来ます。母趾球を切らさずに、体全体で持ち上げる。
ストレッチャーで患者さんをベッドに移す、重い荷物を抱える、子どもを抱き上げる。すべて同じ原理です。
対象が遠いと、どうしてもかかと側に体重が逃げます。だから、一歩前に出て、母趾球で捉える。離れたら、足を運ぶ。それが股関節重心です。
歩き方
歩きは、立ち方の延長です。
つま先は真っすぐ、足と足の間はひと拳。この一拳のラインに、股関節があります。
少し膝を緩めて、母趾球に乗せて、お尻の上から倒す。手が軽くなる位置が、股関節重心です。
ポイントは、後ろ足を残さないこと。
股関節で捉えられていると、切り替えの瞬間に、後ろ足はすっと前に出ます。膝で歩いていると、後ろ足が残ってしまう。
モデルウォーキングは、意識的に後ろ足を残します。見た目は綺麗ですが、体には負担がかかります。
Regulusが目指しているのは、どこにも負担のない、楽な歩き方です。
腰痛と股関節重心
腰痛を抱えている方のほとんどが、骨盤が中立で、重心がかかと側にあります。
猫背、巻き肩のまま、腰を張って上半身を起こしている状態。腰椎に常に圧力がかかります。
整体やマッサージで一時的に抜けても、使い方が変わっていなければ、数日で戻ります。
腰椎の圧力を抜くには、重心を股関節にして、腸腰筋と胸椎を柔らかくしていくこと。
腸腰筋で体幹を保持できるようになると、腰椎にかかる圧が自然に抜けていきます。3ヶ月から6ヶ月、遅くても8ヶ月ほどで、根本から変わっていきます。
膝の痛みとO脚
膝の痛みも、原因は股関節で捉えられていないことです。
膝の皿が外を向き、太ももの外側の筋肉が縮み、内転筋が使えていない。これがO脚の構造です。
股関節で捉えられると、膝は開きません。内転筋が働き、骨盤前傾のまま、脚のラインが整っていきます。
変形性膝関節症も、軽症の段階であれば、股関節重心で歩けるようになることで進行を抑えられます。
健康寿命を延ばすためにも、進行する前に、楽な姿勢を身につけておくことが大切です。
骨盤底筋とダイエット
骨盤が後傾していると、骨盤底筋も緩みます。
内転筋も使えていない。骨盤の中の支えが、全部ゆるんでいる状態です。だから、痩せません。脚痩せもしません。
逆に、股関節に重心が乗って、腸腰筋が働き、骨盤底筋が自然に締まると、代謝が上がって、自然に体が整っていきます。
特別なダイエットをしなくても、日常動作が変わるだけで、体型が変わる方は本当に多いです。
日常をサポートするアイテム
Regulusでは、日常の中で股関節重心を保ちやすくするために、justrelaxのマットとインソールをおすすめしています。
マットは、デスクワーク、キッチンの足もと、椅子の座面、運転席、ソファー、寝るときなど、どこにでも使えます。敷くだけで、骨盤が立ちます。
インソールは、靴の中でも母趾球側に乗れるようになる道具です。歩くとき、立ち仕事のとき、プレー中にも、股関節重心が切れなくなります。
バランスボードに乗れないご高齢の方や、まだ胴体が硬い方には、マットの上での足踏みトレーニングから入っていただくと、負担なく股関節の感覚を養えます。
まとめ
立つ、座る、歩く、しゃがむ。
一日の中で何百回と繰り返される動作を、膝で捉えるか、股関節で捉えるか。
ここが変われば、腰痛、膝痛、足首痛、首こり、肩こり、O脚、骨盤底筋、ダイエット。全部が同時に変わっていきます。
形を整えるのではなく、使い方を身につける。
意識して1日続けることよりも、意識しなくても自然にその姿勢でいられる体をつくっていくことが、Regulusのトレーニングの目的です。
続けている間だけ調子がいいなら、それは楽になっただけ。
何もしなくなっても崩れないのが、変わったです。
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