歩き方の話をすると、ほぼ必ずこう言われます。
「かかとから接地して、つま先で蹴り出す」
これ、間違いです。
そしてこの認知こそが、日本人の姿勢を崩している最大の原因だと私は考えています。膝が痛い、足首が痛い、足の裏に違和感がある、何をやっても足が細くならない——これらの不調は、ほぼ例外なく「重心が股関節に乗っていない歩き」から来ています。
Regulus姿勢矯正で指導している 股関節重心の歩き を、平地・階段・ヒール・ナンバ歩きまで含めて、できるだけ細かくまとめます。
1. 結論:主役は膝ではなく「股関節」
まず、いちばん大事な結論から。
歩きの主役は、膝ではなく股関節です。
同じように歩いているように見えても、
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かかとが先に接地する歩き → 膝設置(膝重心)
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足裏がフラットに接地する歩き → 股関節設置(股関節重心)
この違いだけで、体への負担はまったく変わります。
見た目はよく似ています。上手な人の歩きは「かかとから接地しているように見えて、実はフラット接地」で、かかとが先に着いてしまっている人は、そこで重心が後ろに置き去りになり、膝で体を受け止めることになるんです。
まずはここを疑ってください。かかと接地が正しいと信じている方は要注意です。
2. 足幅は「一拳」。開かず、閉じない
歩くときの足幅は、基本的に 一拳(こぶし1個分) です。
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つま先はまっすぐ
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一拳をキープ
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開かない、閉じない
なぜ一拳なのか。理由はシンプルで、一拳のラインの上に股関節があるからです。だから股関節で捉えやすくなる。それだけです。
そしてもうひとつ。足と足の間に1本のラインがあるとイメージしてください。そのラインに膝が触れにいくように、膝をグッと締めます。
「内股になってしまうのでは?」と思うかもしれません。でも、これが本来の構造です。膝と膝が当たるわけではありません。つま先はまっすぐ、足幅は一拳、その状態で膝だけをグッと締める。 このイメージです。
足の運びは「まっすぐ」
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外から回して入ってくる
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内側から入ってくる
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一本線の上に重ねるように歩く
これらは全部、間違いです。足の運びはまっすぐ。ただそれだけです。
3. 基本の歩き方:4ステップ
では、実際にやってみましょう。
ステップ1:膝を少し緩める
ピンと伸ばさない。ほんの少し緩めるだけです。
ステップ2:母指球にふんわり乗せるイメージで、上半身を軽く前傾する
母指球(ぼしきゅう)にふんわり体重を乗せる。踏ん張るのではありません。上半身を軽く倒すと、自然と骨盤が前傾して、手がスッと軽くなる感覚が出ます。
腸腰筋と背骨が硬い方は、もう少し倒さないと手が軽くなりません。そこは体の状態次第です。
ステップ3:両股関節に手を置く
手を置くことで、重心がどこにあるかを感じ取れます。最初はここで確認しながら歩いてください。
ステップ4:母指球から接地する
目線は前。「母指球、母指球、母指球」と口に出しながら歩いてもいいくらいです。
足から行くイメージではなく、胸から進むイメージ。 これで母指球接地がしやすくなります。
4. よくある勘違いとNG
✗ つま先立ちではない
母指球接地=つま先立ちではありません。接地の瞬間が母指球というだけです。着いたあとはちゃんと足裏が下りてきます。
✗ かかとから行くのはダメ
これがかかと接地。膝で受け止める歩きです。
✗ 膝がピンと伸びている
伸びきると、その瞬間に重心が股関節から外れます。
✗ 上半身が後ろに残っている
骨盤が後傾し、かかと重心になります。
✗ 膝が開いている
O脚・X脚の直接の原因です。
5. 正解のサイン:「目線が上下しない」
股関節重心の歩きができると、目線が上下しません。
これは非常にわかりやすいチェックポイントです。上下にブレる、左右にブレる——どちらも重心が股関節から外れているサインです。
そして目線がブレない歩きは、
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腰
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首
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肩
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太もも
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膝
これらに負担をかけません。
6. 内転筋と骨盤底筋——なぜ「膝を締める」のか
一拳をキープして膝を締めると、内転筋が使えるようになります。この内転筋が、前への推進力を生み出すんです。
逆に言うと——
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膝が痛い方
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足首が痛い方
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足の裏に不調がある方
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足が細くならない方
この方たちに共通しているのが、内転筋が使えていないことです。
そして内転筋が使えていないということは、骨盤の中の筋肉である骨盤底筋も緩んでいることにつながります。
ただし、順番を間違えないでください
ここが一番重要です。
内転筋の感覚は、「重心を股関節に乗せた上で」初めて芽生えるものです。
最優先は、重心を股関節に整えること。順番はこれです。
膝をピンと伸ばして、かかと重心で、骨盤も後傾。この重心がずれた姿勢のまま膝を締めようとすると、股関節・膝・足首・足の裏のどこかに必ず負担がかかります。
SNSで調べるといろんな理論が出てきますよね。あれは、重心がずれた姿勢を前提に「どう膝を締めるか」を語っているから、いろんな答えが出てくるんです。前提が違うので、それらは機能しません。
7. 階段の上り下り
階段は、歩き以上に差が出ます。
共通のポイント
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膝がグッと沈み込まない(股関節で行けると沈み込みません)
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膝が伸びきらない
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膝を開かない
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音が立たないのが理想
上り
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膝を少し緩める
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母指球で接地
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上半身はやや前傾
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膝は開かず、内側に締めるイメージ
前傾しすぎてもダメ、起きすぎてもダメ。「やや前傾」のちょうどいい位置で、股関節で捉えられます。
NG: 膝がピンと伸びて、上半身が後ろ、かかと接地、膝が開く。
下り
下りは膝に入りやすいので、上半身は少し起こします。
ただし、後ろではありません。後ろでもなく前でもない「間」。やや前、くらいの位置です。あとは上りと同じです。
上半身の角度を調節することで、股関節で捉えられます。
補足
腸腰筋と背骨が柔らかくなってくると、上りでも上半身を前傾させずに股関節で捉えられるようになります。今できなくても問題ありません。
8. ヒールの場合
ヒールも考え方は同じです。
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膝をピンと伸ばして、かかと重心 → ✗
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少しだけ膝を緩める → ◯
そして接地は、母指球ではなく土踏まずです。
腹筋を意識して、少しだけ上半身を前傾にする。これで股関節で捉えられます。
9. ナンバ歩きについて
ナンバ歩き、惜しいんです。
膝がピンと伸びてかかとから接地する歩きよりは、ずっといい。ただ、多くの人が真似すると膝に入ってしまうんです。
理由は、注目するポイントを間違えているから。手はあまり関係ありません。
大切なのはこの4つです。
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骨盤の向き
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膝の緩み具合
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足裏がどこから接地しているか
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上半身の角度
そして結果として、目線が上下にも左右にもブレないこと。
ナンバ歩きは左右の動きが少し発生します。だから股関節に重心がない方がやると、膝・ふくらはぎ・足首・太ももに負担が来てしまうんです。
逆に言えば、
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目線がブレない
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骨盤が前傾している
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膝が緩んでいる
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母指球接地で上半身が少し前傾
これが揃っていれば、ナンバ歩きをやってもOKです。
イメージは同じ。膝や手から行くのではなく、胸が前に進む感覚です。
10. 最初は違和感しかありません
正直に言います。最初は違和感しかないです。
なぜなら、今の体は「重心がずれた姿勢」に最適化されているからです。胴体が硬い人ほど、股関節で捉えるために違和感のある前傾をするしかありません。
でも、それでいいんです。
1日10分の体操を続けてください
腸腰筋と背骨を柔らかくする体操を1日10分。胴体の癒着が取れていくと、
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1ヶ月
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2ヶ月
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3ヶ月
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4ヶ月
と、だんだん上半身を起こせるようになっていきます。
不思議に思うかもしれません。骨盤は前傾しているのに、上体は上がっていく。これは「頑張って起こしている」のではなく、胴体が柔らかくなるから上体が上がってくる、ただそれだけなんです。
もちろん、腰に負担はありません。
11. 完成形は「フラット接地」
そして最終形。
母指球接地は、股関節に重心を戻すための入口です。ここから徐々に変化していきます。
母指球接地 → 骨盤前傾で上体が起きる → フラット接地
骨盤が前傾したまま上体が起き、足裏はフラットに接地する。これが完成形です。
冒頭に書いた「かかと接地に見えて、実はフラット接地。少し遅れてつま先が接地する」というのは、この状態のことです。
太ももを使っていないので、自然と足痩せしていきます。かつ、骨盤底筋を締めている姿勢——それが股関節重心です。
12. この歩きで変わること
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綺麗な姿勢が手に入る
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O脚・X脚の解消
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骨盤底筋が締まる
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足痩せ
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膝痛の改善
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足首・足の裏の不調の解消
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腰・首・肩への負担が消える
今日やってほしいこと
難しいことはしなくて大丈夫です。
まずは、ご自分の歩きが「どこから接地しているか」を振り返ってみてください。
たぶん——というより、ほぼ確実に、かかとから接地しているはずです。
気づくことがスタートです。そこから、
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膝を少し緩める
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上半身を軽く前傾
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両股関節に手を置く
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母指球から接地
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胸から進む
これを1日1分でいいので試してみてください。目線がブレなくなる瞬間が、必ず来ます。
重心を整える。これがこれからの姿勢の常識です。
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