更年期には、ホルモンの急激な変化によって、体と心にさまざまな不調が現れます。多くの人が「年齢のせい」とあきらめてしまいがちですが、実はその症状の多くが、姿勢や呼吸、筋肉の使い方を見直すことで大きく改善できるのです。
この項目では、更年期の心身の不安定さを「姿勢・呼吸・重心の視点」から根本的に整える新しいアプローチをご紹介します。毎日のちょっとした動きや姿勢のクセが、体調を左右するカギを握っていることを、まずは知るところから始めましょう。
更年期とは、女性ではエストロゲン、男性ではテストステロンといったホルモンの分泌量が減少することで、心身に大きな変化が起こる時期です。
代表的な症状には以下のようなものがあります:
尿トラブル(尿漏れ・頻尿)
倦怠感・疲れやすさ・代謝の低下
腰痛・膝痛・関節の違和感
気分の落ち込み・不安感・自律神経の乱れ
これらは単にホルモンだけが原因ではありません。呼吸の浅さ、骨盤の不安定、姿勢の崩れなど、身体の“使い方の乱れ”が症状を強めている可能性があります。
つまり、更年期の症状とは「ホルモンの変化+身体の歪み」によって現れる多層的な現象なのです。
骨盤底筋は、排尿・排便、そして内臓の保持、姿勢の安定に不可欠なインナーユニットです。更年期にはホルモンバランスの変化とともに、以下のような生活習慣が重なり、この筋肉の働きが落ちやすくなります:
猫背や反り腰、O脚・X脚などの姿勢不良や骨盤後傾
座り方が崩れ、骨盤が後傾になる姿勢が習慣化
歩くときに膝が過伸展で外に開き、足の軌道がぶれている
これらが重なることで、
かかと側の重心になり、骨盤底筋が常に緩みやすくなる
肩や腰に力が入りすぎることで、全身の筋バランスが崩れる
不安定な歩行が内ももやお腹の筋力低下を招き、尿漏れや腰痛の原因に
つまり、骨盤底筋の機能低下は「筋力が弱ったから」ではなく、体の使い方が崩れたことによる“働けない状態”である場合が多いのです。
骨盤底筋を正しく働かせるためには、股関節に重心を乗せる姿勢を取り戻すことが必要です。
具体的には、「仙骨と両股関節を結んだ三角形の内部に重心を収める」イメージで体を使います。
この股関節重心のメリット:
骨盤が立ち、背骨が自然に伸びる
腹部が引き上がり、骨盤底筋が引き締まりやすくなる
脚がスムーズに動き、膝・股関節の負担が減る
逆に、股関節に重心を乗せられないと、膝や腰、肩に力が分散し、疲れやすく痛みやすい体になります。
股関節重心は、姿勢改善だけでなく、尿トラブル・腰痛・呼吸の浅さといった更年期症状の緩和にもつながる“体の使い方の土台”です。
更年期の身体ケアは、特別なトレーニングを行うよりも、「日常の動きの質」を変えることが大切です。
立ち方 - 膝を軽く曲げ、母趾球に重心を乗せる - 上半身はほんの少し前傾にし、股関節で支える感覚を意識
歩き方 - つま先は正面に向け、膝を内側に締める意識 - 内転筋を使うことで脚が内側から安定し、O脚・X脚の改善にもつながる
座り方 - 骨盤を立てて座り、股関節で体重を受けるように前傾姿勢を取る
さらに、ペットボトルを膝に挟んで行う“内転筋トレーニング”や、1日10分の「時短コンディショニング」により、腸腰筋と骨盤底筋を自然に目覚めさせることで、体の中心から整っていきます。
骨盤底筋は、身体の土台である骨盤の下で、内臓・姿勢・呼吸・排泄といった私たちの基本機能を支えている重要なインナーマッスルです。この筋肉が正しく働くようになると、以下のような全身への良い変化が自然と広がっていきます。
排尿・排便のコントロールがしやすくなる → 骨盤底筋は、膀胱・子宮・直腸を支えています。 この筋肉が弱ると、尿漏れ・頻尿・便秘など、排泄に関わる悩みが起こりやすくなります。 活性化により、不安や緊張に伴う排泄の不調が改善され、外出や就寝時の安心感が戻るケースが多く報告されています。
姿勢が安定する → 骨盤が前傾して立つことで、内臓が元の位置に戻り、背骨の自然なS字カーブが保たれます。 これにより、猫背や反り腰が改善され、立っている・座っている姿勢がラクに感じられるようになります。 背中・腰・肩への負担が減るため、慢性的な腰痛や肩こりも解消されやすくなります。
呼吸が深くなる → 骨盤底筋は、横隔膜・腹横筋・多裂筋と連動する「インナーユニット」の一部。 この連動が回復すると、呼吸の吸う・吐くがスムーズになり、無意識に浅くなっていた呼吸が深く整います。 呼吸が深くなることで副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整い、心も落ち着きやすくなるのです。
冷え・むくみの改善 → 骨盤底筋の働きが回復すると、骨盤内の血流とリンパの流れが活性化します。 とくに下半身のむくみや、女性に多い冷え性に対して、循環が良くなることで自然に改善が見込まれます。 代謝も回復しやすくなり、体重のコントロールや肌の調子にも良い影響が期待されます。
これらの変化は、「筋肉を鍛えて強くする」という発想ではなく、本来あるべき筋肉の働きを、正しい姿勢と呼吸の中で“自然に引き出していく”ことによって得られるものです。
骨盤底筋の活性化は、身体の深部から静かに、しかし確実に、更年期の不調に対して根本からの変化をもたらしてくれる大きな手段です。
40代・50代の女性受講生の実践例からも、「姿勢」と「骨盤底筋」を整えることで、更年期特有の不調が改善されたケースが多数報告されています。
【50代女性|事務職】Before 猫背・巻き肩・O脚・膝痛に加え、更年期の尿漏れ、体重増加に悩んでいた。
After 姿勢と骨盤底筋の調整を始めてから、 - 姿勢が整い、背筋をラクに保てるようになった
骨盤底筋が機能し始め、尿漏れと膝痛が軽くなった
呼吸と血流が改善し、冷え・むくみも改善
【40代女性|接客業】Before 日々の立ち仕事で、猫背・腰痛・自律神経の乱れ、基礎代謝の低下や更年期のはじまりによるイライラ感や不安定な気分に悩んでいた。
After 股関節重心を意識した姿勢改善によって、 - 立ち仕事中の足の疲れが激減 - 骨盤底筋が自然に働くようになり、基礎代謝向上、疲れない体に変化 - 呼吸が深まり、自律神経が安定、気分の浮き沈みが穏やかになった
このように、特別な運動をしなくても、「体の使い方」「重心の置き方」を変えるだけで、更年期に見られる複数の症状が同時に改善されていく可能性があります。
年齢を問わず、今ある体をどう使っているかが、症状の出方や回復力に大きく影響しているということが、現場からも実証されています。
更年期の不調は、ホルモンの影響だけでなく、姿勢・重心・呼吸・筋肉の連動性の崩れが根本にあるケースが非常に多く見られます。
Regulusが提案するのは、体を内側から整える「再教育」のアプローチ:
股関節重心を中心とした動作パターンの再構築
時短コンディショニングで腸腰筋・骨盤底筋を活性化
呼吸・姿勢・排泄・循環機能を一体として整える習慣化
このアプローチにより、筋力任せではない“しなやかな軸”が育ち、無理なく、更年期の不調を乗り越える身体づくりが可能になります。
更年期は、身体の変化を通じて「これまでの習慣を見直すタイミング」として訪れる、ある意味“チャンス”の時期です。
不調の多くは、「年齢」や「ホルモン」だけでなく、
日々の姿勢
呼吸の浅さ
骨盤の不安定さ
動きのクセ
といった、日常に潜む“体の使い方の乱れ”が影響している可能性があります。
姿勢・重心・呼吸というシンプルな習慣を整えることで、体と心はもう一度、軽やかに生き返ります。
今日から少しずつ、自分の体に“やさしい使い方”を覚え直していきましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
「もっと詳しく知りたい」「自分の場合はどうしたらいい?」そんな方は、ぜひ公式LINEにご登録ください。
💬 LINEでは・姿勢分析レポート・姿勢矯正体験・30分無料セッション案内
など、noteでは伝えきれない情報を発信しています。
こちらから簡単登録できます👈