私は病気 | 25歳フリーランスmiriのブログ~love sex girls life…

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某ファッション雑誌、ゴシップ誌で、翻訳だのライティングだのさせて頂いてます。今まであまり名前も出さず記事を書いてきましたが、この度コラムを担当させて頂くことになり、ボツになった記事や思ったことを書こうとブログを始めました。こんな感じで始めてごめんなさい。




私はずっとこれを病気だなんて思わなかった。

最近タバコを辞めた。世間はどこもかしこも禁煙ブームだけど、そこだけは流行無視で吸い続けてた。


最初は辛かった。次第にタバコの煙がうざくなった。今は横で上司が吸ってても何とも思わなくなった。

私はニコチン中毒だったけど、それを克服するのは私には案外余裕だった。


これは病気だったかもしれないけど、重症ではない。


私の病気は、ファッションだ。


素敵な靴と服に出会ってしまったら最後、値札も見ずにレジへと向かってしまう。

1つ買ってしまったら止まらない。靴にあわせて服も買う。服にあわせてアクセサリー…魔の連鎖に逆らえない。

この間ついに私の限界を越えた。

今までギリギリでやり過ごしていたのに、ついに越えた。


それから、私はショッピングを謹慎した。


しばらく悪魔は身を潜めていた。雑誌で見て、欲しいなとは思っても、SHOPに駆け込みはしなかった。

街で、百貨店で、欲しい!とは思っても手には取らなかった。



「よかった。私は病気じゃなかったんだ。」
少し安心した。



でも、私は病気だった。重症だった。


打ち合わせにいく途中

DIORのショーウィンドーに目が釘付けになった。

夏の最新コレクション。

レザーとオーガンジーにサテンとsilkを見事に合わせた、繊細で大胆で完璧なdressだ。


ちなみに私は最近パーティーにも行かない。

dressを着る機会は皆無に等しい。


数秒か、数分か、数時間か…時間が止まって、心臓の音が聞こえるくらい興奮した。めまいがして、何も考えられない。

手にとって見るだけなら…

久しぶりに、その重厚な扉を開けた。


新品の服の匂いにクラクラした。

完璧で美しいdressは、ほっそいマネキンに着られて優雅に私を迎えた。

試着だけなら…一瞬dressから視線を外して店員を探した。

そして、私はDIORを後にした。


何も買わなかった。

店員が近づいてきて、私は微笑んで外に出た。

街に出た瞬間、涙が頬を伝ってた。


私は病気なんだ。中毒なんだ。

実感して、泣けてきた。


何でだろう。いつからだろう。どうしたら治るの。…


時間を少し過ぎて打ち合わせが始まった。大きい仕事だ。集中しないと…出来なかった。意見を求められ、ideaが出なかった。みんな少し驚いてた。

私はある分野にかけては優秀だと自負してる。

他のことでも、何となくこなせる器用さがあると思ってる。


私は病気だ。

集中しないと…治すことに集中しないと…

いいideaを出さないと…


帰り道で、ショーウィンドーに映る私を見た。冷静に見ると、仕事用の靴がボロボロだった。


必要なのは、あの美しいdressじゃない。仕事用の靴だった。


帰り道で、そこそこの仕事用の靴を買った。仕事で使える服を買った。


美しいとは思わなかった。心臓の音も聞こえなかった。


会計をして、あの興奮と満足感は味わえなかった。


よかった。私は小さな声で呟いた。


私は病気だ。


今は悪魔に勝ててる。

ギリギリで勝ててる。

負けるわけにはいかない。

それでも、怖くてたまらない。

悪魔は私のすぐ後ろにいるんだから…













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