育児休業規程 第○○条  育児のための深夜業の制限 | 就業規則のネタ

育児休業規程 第○○条  育児のための深夜業の制限

前回は、「育児のための時間外労働の制限」についてでしたが、今回は、「育児のための深夜業の制限」について書いていきます。



「育児のための深夜業の制限」というのは、簡単にいうと、


  小学校入学前の子を養育する親が「育児のための深夜業の制限」を請求した場合には、

     ↓

  会社は、基本的に、深夜(午後10時から翌午前5時まで)には労働をさせることができない


というものです。もちろん男性女性の区別はありません。


ただし、


  日雇い従業員

  入社1年未満の従業員

  16歳以上の同居の家族が、深夜に子供の面倒をみられる状況にある従業員

  1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

  所定労働時間の全部が深夜の従業員


のいずれかに当てはまる場合は、「育児のための深夜業の制限」を請求することができません。



これは、育児・介護休業法に定められていますので、これより厳しい条件を課すことはできませんが、会社の状況が許せば、これより緩い条件で行うことは自由です。



「育児のための時間外労働の制限」については、深夜の業務が日常的にある会社、例えば、


  24時間操業の工場

  警備業

  運送業

  病院や介護施設


などといったところでは、深夜業の制限の申し出があることが十分想定されます。


会社としては、何の準備もない状態で申出があっても、なかなか対応するのが難しい場合もあるでしょう。

特に、深夜業の場合は、やってくれる従業員を確保することがなかなか難しいということもあります。


したがって、深夜業制限の申出が想定されるのであれば、事前にその従業員に、深夜業の制限を望んでいるのかどうかを確認し、代わりに深夜業をやってくれる人を確保するといった、先手先手の対応をすることが必要です。



実際に確認すれば、


 「問題なく深夜業はできる」

 「深夜業は無理なので勘弁してほしい」


という回答だけでなく


 「一月に5回は無理だが2,3回なら何とかできる」


ということもありますので、会社としてもある程度柔軟に対応する余地が生まれてくることとなります。



以下、一般的な条文を例示します。



(育児のための深夜業の制限)
第○○条

会社は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員が当該子を養育するために申し出た場合には、就業規則第○条の深夜業に関する規定にかかわらず、午後10時から午前5時までの深夜に労働させることはない。ただし事業の正常な運営に支障がある場合はこの限りでない。


2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるいずれかの事由に該当する従業員は深夜業の制限を申し出ることができない。
(1) 日々雇用される者
(2) 入社1年未満の者
(3) 申出に係る家族の16歳以上の同居の家族が次の(ア)から(ウ)のいずれにも該当する者
  (ア) 深夜において就業していない者(1ヵ月について深夜における就業が3日以下の者を含む)であること
  (イ) 心身の状況が申出に係る子の養育又は家族の介護をすることができる者であること
  (ウ) 6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産予定でなく、かつ産後8週間以内でない者であること
(4) 1週間の所定労働日数が2日以下の者
(5) 所定労働時間の全部が深夜にある者

3 会社は、深夜業の制限を受ける従業員に対し、必要に応じて昼間勤務への転換をさせることがある。



(深夜業制限の申出の手続等)
第○○条

前条に定める深夜業の制限の申出をしようとする従業員は、1回につき1ヵ月以上6ヵ月以内の期間(以下この条において「制限期間」という)について、制限を開始しようとする日(以下この条において「制限開始予定日」という)及び制限を終了しようとする日を明らかにして、原則として制限開始予定日の1ヵ月前までに、育児のための深夜業制限申出書を会社に提出するものとする。

2 会社は、育児のための深夜業制限申出書を受け取るにあたり、必要最小限度の各種証明書の提出を求めることがある。

3 申出の日後に申出に係る子が出生したときは、育児のための深夜業制限申出書を提出した者(以下「申出者」という)は、出生後2週間以内に育児休業等対象児出生届により会社に届け出なければならない。


4 制限開始予定日の前日までに、申出に係る家族の死亡等により申出者が子を養育しないこととなった場合には、申出はされなかったものとみなす。この場合において、申出者は速やかに会社のその旨を通知しなければならない。



(深夜業制限の終了)
第○○条

育児のための深夜業の制限は、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には終了するものとし、当該制限期間の終了日は当該各号に掲げる日とする。
(1) 子の死亡等制限に係る子を養育しないこととなった場合
  →当該事由が発生した日
(2) 制限にかかる子が小学校就学の始期に達した場合
  →子が6歳に達する日の属する年度の3月31日
(3) 申出者について、産前・産後休業、育児休業又は介護休業期間が始まった場合
  →産前・産後休業、育児休業又は介護休業の開始日の前日
2 前項第1号に定める事由が生じた場合には、申出者は速やかに会社にその旨を通知しなければならない。