出向規程 第○○条 社会保険等
従業員が出向するにあたっては、
健康保険(介護保険を含む)
厚生年金保険
雇用保険
労災保険
といった公的な保険の加入をどうするかという問題も出てきます。
健康保険は、都道府県ごとに保険料率が違うので、都道府県をまたいで勤務先が変わる等の場合は、保険料の額が変わることがあります。(上がる場合もあれば下がる場合もある)
また、健康保険組合から協会けんぽに移ることになる場合は、保険料だけでなく、保険給付の面でも条件が変わることがあります。
厚生年金保険は、都道府県ごとに保険料率が違うということはありませんが、厚生年金基金から年金機構の厚生年金保険に移る場合は、保険料の額だけでなく、将来の給付にも影響が出てきます。
健康保険や厚生年金保険については、どちらの会社で加入するか、また、会社負担分の保険料をどちらの会社が負担するのかを、それぞれ出向先と出向元の会社の話し合いで決めることができます。
したがって、すでにあげたような要素を検討したうえで、出向しても出向元の会社で引き続き取り扱うか、出向したのだから出向先の会社で取り扱うようにするのかを決めて、保険料の負担も含めて出向契約で定めることになります。
雇用保険については、主たる賃金を支払う会社で加入することになっています。
そのため、
出向元の会社から賃金が支払われるのであれば出向元の会社で加入し、
出向先の会社から賃金が支払われるのであれば出向先の会社で加入する、
ということになります。
会社負担分の保険料をどちらが負担するかは、出向先と出向元の会社で決めて、出向契約に定めることになります。
最後に労災保険ですが、こちらは、実際に勤務している会社で加入することになっています。
したがって、労災保険は出向先の会社で加入することになります。
ということで、出向にあたっては、公的な保険についてもそれぞれ違ったきまりがありますので、ご注意いただければと思います。
以下、一般的な条文を例示します。(労災保険以外は出向元の会社で加入する例です)
(社会保険等)
第○○条
健康保険、厚生年金保険、雇用保険の適用は、出向期間中も会社(出向元の会社)にて行う。
2.労災保険の適用は、出向先会社にて行う。