1週間単位の非定型労働時間制 | 就業規則のネタ

 1週間単位の非定型労働時間制

これまで、1年単位の変形労働時間制、1ヶ月単位の変形労働時間制を紹介してきましたが、今回は表題のとおり、1週間単位の非定型労働時間制を紹介したいと思います。


まず、1週間単位の非定型労働時間制を利用できる事業には条件があります。

  業種は、小売業、旅館、料理店、飲食店 に限る

  常時使用する労働者数が30人未満

この両方の条件を満たした事業のみが対象となります。

1週間単位の非定型労働時間制は、


本来、労働時間は

      1日8時間

      1週40時間(業種等によっては44時間)

を超えてはならないのですが、


1週間単位の非定型労働時間制の対象事業で、 

1週間単位の非定型労働時間制を行うということを

    労働協約または労使協定を締結する

ことで定めることにより、


1週間を平均して、

  1週40時間(44時間の業種等でも、40時間になる)

の労働時間を超えないという条件で、

  特定の日に

   1日8時間(1日の限度は10時間)

を超えて労働させることができる、という制度です。


毎週の労働日及び労働時間は、前週の末日までに決定し、各労働者に書面で通知しなければなりません。

また、労働日と労働時間の決定にあたっては、労働者の意見を尊重するよう努めるものとされています。そのため、事前に従業員から勤務希望日等を確認したうえで、労働日と労働時間を決定するようにすることが求められます。


1週間単位の非定型労働時間制を導入する場合の就業規則の条文を、以下の通り例示します。


(労働時間及び休憩時間)

第○○条

従業員の所定労働時間は、従業員代表との書面による協定(以下、労使協定という)により、1週間単位の非定型労働時間制によるものとする。

2. 各従業員の勤務日ならびに各日の所定労働時間・始業・終業時刻及び休憩時間は、前週の※曜日までに勤務票を交付し通知する。

3 業務の都合その他やむをえない事情がある場合は、前日までに書面にて通知の上、前項の所定労働時間・始業・終業時刻及び休憩時間を変更することがある。


(休日)

第○○条

1週間単位の非定型労働時間制の適用を受ける従業員の休日は、前週の※曜日までに勤務票を交付し通知するものとする。

2. 業務の都合その他やむをえない事情がある場合は、前日までに書面にて通知の上、前項の休日を他の日に振り替えることがある。



1週間単位の非定型労働時間の対象となる事業所では、割と広くこの制度を利用しています。

すでに利用している場合は、労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出ているか、労働時間は1日10時間、1週40時間に収まっているか、休日は確保しているか、残業時間の算定方法は適正かなど、一度チェックすることをお勧めします。

これから利用しようという事業所では、これらの事項を理解し、必要な人員を確保した上で行うことが重要でしょう。