文科省、ヒトiPS細胞の動物移植を承認 東大が実施へ | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

文科省、ヒトiPS細胞の動物移植を承認 東大が実施へ

文部科学省の専門委員会は28日、人の様々な組織に育つヒトの新型万能細胞(iPS細胞)をマウスや豚の受精卵(胚=はい)に移植する研究を承認した。中内啓光・東京大教授らが、動物の体内で人の移植用臓器を作る基礎研究の一環として申請していた。ただ、受精卵を動物や人間の子宮に戻すことは禁じた。

人の細胞が混ざった動物の受精卵の作製が認められるのは、文科省が2001年にクローン技術規制法に基づく指針を施行してから初めて。

文科省が同日開いた科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会の専門委員会が認めた。

研究は将来、iPS細胞の技術を使い、人工透析患者に移植できる腎臓などを動物の体内で生産することを想定。このためiPS細胞が動物の細胞と混ざったまま成長するかどうかを調べる必要があった。承認された研究では、実際に混じり合うかどうかを検証する。培養を数日間続けるが、臓器は作らない。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0EAE2E68B8DE0EAE2E5E0E2E3E29180EAE2E2E2;at=ALL


動物胚に人のiPS移植へ 東大医科研、国内初
人間の皮膚などから作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)をマウスなど動物の胚(受精卵)に移植する研究を、東京大医科学研究所の中内啓光教授らが計画、届け出を受けた文部科学省の専門委員会は28日、クローン技術規制法に基づく指針に適合しているとして承認した。

2001年に制定された指針は、動物の胚にヒトの細胞を移植する「動物性集合胚」の作製を認めていたが、国に研究計画を提出したのは初。近く研究を始める。人間や動物の子宮への移植は禁止されている。

届け出などによると、中内教授らの研究は、最終的に豚の体内で人間の臓器を作る目的。そのためには、発生初期の段階で人間と動物の細胞が混ざり合って正常に成長する能力(キメラ形成能)が必要になるが、人間のiPS細胞にはこの能力はないかもしれないとされている。

中内教授らの計画は、マウスや豚、鳥の胚に人間のiPS細胞を移植し、キメラ形成能があるかどうかを評価する。数日間程度観察後、廃棄または標本にするという。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072801001035.html


ヒト万能細胞をブタ受精卵に=東大医科学研が「動物性集合胚」作製-文科省初承認
ヒトの人工多能性幹(iPS)細胞をブタの受精卵(胚=はい)に移植し、試験管内で短期間だけ培養する研究計画が28日、文部科学省の専門委員会で承認された。東京大医科学研究所の中内啓光教授らが、将来、ブタの体内でヒトのiPS細胞から膵臓(すいぞう)を作り、糖尿病患者に移植する再生医療を実現するため、基礎研究として申請した。
ヒトの細胞が交ざった動物の胚は「動物性集合胚」と呼ばれ、作製の申請と承認は、文科省が2001年に「特定胚の指針」を施行してから初めて。万一、ヒトや動物の胎内に移植すると、全身にヒトとブタの細胞が混在する奇妙な動物が誕生しかねないため、胎内移植は禁止されている。
iPS細胞は盛んに増殖し、身体のあらゆる細胞に変わる万能細胞。しかし、本当に全身の細胞に変わるか確認するには、受精卵に移植して個体を誕生させる必要がある。ヒトiPS細胞の場合はそこまでできないため、ブタ受精卵に移植し、ブタの細胞と交ざって成長するか調べる。
動物性集合胚
動物の受精卵(胚=はい)にヒトの細胞を移植して作る胚。クローン技術規制法に基づく「特定胚の指針」により、作製には文部科学省の承認が必要。ヒトと動物の細胞が交ざった個体の誕生を防ぐため、取扱期間は14日以内に制限され、ヒトや動物の胎内への移植は禁止されている。違反した場合は刑罰が科される。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010072801038
http://www.jiji.com/jc/c?g=tha_30&k=2010072801039





体内に腎臓や膵臓を再生 立体臓器づくりに道

iPS細胞で腎臓作製 東大が技術開発

iPS細胞使って血液できた マウス体内で幹細胞作製 」の続報です。


あくまで基礎研究ですので、将来の選択肢を増やすために、粛々と研究を進めるべきと思います。