iPS細胞の脊髄損傷治療、事前選別が効果的 慶大など | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

iPS細胞の脊髄損傷治療、事前選別が効果的 慶大など

慶応義塾大学などの研究グループは、マウスの新型万能細胞(iPS細胞)を使って脊髄(せきずい)損傷になったマウスの身体機能を回復させる際に、事前に安全性の高い細胞を選び出せば治療効果が高くなることを突き止めた。iPS細胞を人の再生医療に応用する場合にも、移植前の十分な安全性検証が重要であることを示しているという。

慶大の岡野栄之教授、戸山芳昭教授と京都大学の山中伸弥教授らの共同成果。米科学アカデミー紀要(電子版)に論文を発表する。

成長したマウス由来の、2種類のiPS細胞で実験した。まず安全性を検証するため、iPS細胞を免疫不全マウスの大脳に移植して6カ月間観察した。1つのiPS細胞は腫瘍(しゅよう)を作り、もう1つはできなかった。

腫瘍ができたiPS細胞を、神経のもととなる「神経幹細胞」に成長させて脊髄損傷のマウスに移植すると、失われた後ろ脚の機能が一時的には回復したが、腫瘍ができて、身体機能が再び低下した。一方、腫瘍ができなかった安全なiPS細胞をもとにした神経幹細胞を移植すると、良好な治療効果が得られることが分かった。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E4E2E7E38DE2E5E2E5E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=ALL




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