約2週間に及ぶFIFAインターナショナルマッチウィークも終わり、ブラウグラーナ戦士たちがバルセロナに帰還した。各国代表チームに散らばった選手たちの結果を受け、ワールドカップを決めた選手、プレーオフへ望みを繋いだ選手、ワールドカップを逃した選手がいて、彼らの全てを応援するバルセロニスタとしては悲喜交々の結果となった。
しかし、そのFIFAウィークも一先ず終わり、今度はクラブでの活動に切り替えることになる。崖っぷちに立たされていたアルゼンチンの10番として、謂われなき批判にも屈せず、ゴールこそなかったものの、チームの主力として戦った我らがバルサのクラックのリオネル・メッシも代表チームに招集されていた選手たちの中で一番遅くなったけれど、バルサが用意したチャーター機で当初の予定より1日早い15日(木)16時にエル・プラット空港にクラブ役員(のRaül Sanllehí y Albert Perrín)、回復トレーナー(のJuanjo Brau)、彼女のアントネージャ(Antonella)ちゃんらと到着した。
¡Bienvenido a casa!
土曜日のリーガ第7節、メスタージャでのバレンシア戦への出場は微妙だけれど、試合(遠征)日の2日前に“カサ”であるバルセロナへ帰って来れたことは精神面でも肉体面でも大きいことだろう。チャーター機を出したクラブの計らいを粋に感じた、そして最終判断はペップだけれど、戦う準備は出来ている、と力強く語っているメッシは90分ではないにしても、メスタージャでクラブのために戦って勝利へと導く仕事をしてくれそうだ。チームになりきれていないアルゼンチン代表ではご無沙汰となっているけれど、バルサではゴールマシーンなのだから、期待は出来る。ただし、疲労による怪我だけには注意しなければならない。
バルセロナに居残り組のバルデス、ピント、マクスウェル、ペドロ、ジェフレン、ボージャンもFIFAウィークの間はコンディショニングを崩さない程度の練習をバルサ・アトレティクのカンテラーノを加えたメンバーでしていた。日曜、月曜、火曜と休養を挟み、水曜から再開した全体練習には代表からリリースされたブラジル代表のダニ・アウベス、メキシコ代表のマルケス、スペイン代表のチャビ、プジョール、マリ代表のケイタ、コートジボワール代表のトゥーレ・ヤヤらが加わっており、更に木曜日の夕方練習からはフランス代表のアビダル、スペイン代表のセルヒオ・ブスケツ、ピケ、イニエスタ、そしてアルゼンチン代表のメッシも駆け込みで参加し、ここにチームの再会と、バルサの活気ある“カサ”での全体練習が復活した。
しかし残念ながら、チームにはFIFAウィルスに犯されてしまった選手もいる。フランス代表のアンリはオーストリア代表戦で負傷し、右太腿大腿二頭筋に1.5cmの損傷があることが発見され、全治10日前後と診断された。また、スウェーデン代表のイブラヒモビッチもアルバニア代表戦で右膝を打撲して負傷、全体練習には加わらずに個別の回復メニューに従事、バレンシア戦出場に黄色信号となった。更にFIFAウィークを利用して怪我のリハビリに励んだ(ウクライナ代表の)チグリンスキーも早期回復をしているものの、別メニュー調整をしている。
対戦相手のバレンシアはリーガで現在5位。3勝2分1敗の11pts.、得点12失点9得失点差+3という戦績だ。バルサはメッシが通常より1日早いチーム合流を果たしたことで直近の過去6度にはないFIFAウィーク直後の先発出場もあるかもしれないけれど、アンリは欠場だし、イブラヒモビッチも微妙な状態で攻撃陣に不安を抱えている。そしてバルサの心臓であるチャビも出場濃厚だけれど、無理は出来る状態ではない。
一方でバレンシアもFIFAウィーク直前のリーガ第6節のラシン・サンタンデール戦で、エースのダビド・ビジャが右足太腿に全治3週間の怪我を負ってしまったけれど、脅威の回復力で先発はなくても途中出場はあるかもしれないという。しかし、中盤のアンカーに入るマルチェナがスペイン代表で負傷してバルサ戦は欠場、更にホアキンとビセンテも欠場のようで、豪華メンバーによる対戦とはいかないようだ。
バレンシアもUEFAヨーロッパリーグを戦っているけれど、バルサもチャンピオンズリーグを戦っていて、バレンシア戦の3日後にはカンプ・ノウにロシア王者のルビンを迎えてのグループステージ第3節が控えている。FIFAウィーク明け直後のゲームと中2日でのチャンピオンズリーグ。環境が厳しい中で、更に怪我人が出ている状況でペップ・グアルディオラはローテーションを巧く使うのだろうか。
怪我から復帰したやる気満々のボージャンがイブラヒモビッチ(デランテーロ・セントロ)の代わりでも、アンリ(エストレーモ)の代わりでも務められる。そして大事な試合でゴールを決めている意外性のペドロが控えている。デフェンサから中盤はフエラでも3pts.を奪いに行く鉄板メンバーで、前線はローテーションというのが最適な選択だろう。ペップの考えるていることと、判断力と決断力は予想出来ないけれど。
◇予想(希望)先発メンバー
1 V.Valdés;
2 Dani Alves, 5 Puyol, 3 Piqué, 19 Maxwell;
6 Xavi (16 Sergio Busquets), 24 Touré Yaya, 15 Keita;
10 Messi , 11 Bojan y 17 Pedro (8 A.Iniesta).
メスタージャの芝生が改善されたのかわからないけれど、凸凹の最悪なコンディショニングだった場合はチグリンスキーにも、チャビにも、イニエスタにも、イブラヒモビッチにも、無理は強いられない。それでもバレンシアはカサで首位からポイントを奪うべく正攻法で挑んで来るだろう。バルサはそれを正面から受け止めて、それでいてバルサの攻撃的フットボールで勝利しなければならない。いつも通りのボールポゼッションのために、細かいポジショニング修正と素早いパス交換でゲームをコントロールし、マルチェナのいない中盤を制圧して早い時間帯でゴールを奪ってしまおう。バレンシアキラーのアンリがいないのが不安ではあるけれど、きちんと戦えば3pts.は獲れるはずだ。
FIFAウィーク前、セビージャのサイドアタックと圧力に屈して敗戦を喫して2位になったレアル・マドリーは、サンティアゴ・ベルナベウに16位のバジャドリーを迎えてのゲームとなるから3pts.獲得は殆ど確実だろう。だからこそ、バルサもエラーを犯すわけにはいかない。メスタージャであっても、しっかりとオレンジコウモリを退治して、3pts.奪取で首位キープと行こう!
¡Vamos Barça!