僕が50歳を迎えた今月。

世の中は新型コロナウイルスで揺れに揺れていました。

不安の中で、それぞれが自分のありかたを模索した1か月だったと思います。

僕も先週お話したように、盛和塾の稲盛和夫塾長が提唱された不況時の五箇条を改めて思い返しながら、

自分と快適創造企業レガーロのこれからのために、ありとあらゆる創意工夫を尽くしていくことを誓いました。

と同時に、自分自身の今後を長い目で見て、50歳のテーマを考えはじめました。

僕の年代も変わった、世の中も変わっていく、

テーマについてもこれまでとは違ったアプローチをしてみようと思ったのです。

人からどう見えているかはともかく、元来が真面目な僕なので、なにごとも始めるとストイックになりがち。

それはもちろんいいことだと思うのですが、50代もそれで突っ走るのはどうなんだろう。

いや、体力には以前より自信がついてきましたから、体を心配しているわけではないのです。

自分への対し方として、50代もそれを選ぶのかどうか。

ストイック、すなわち求道的に完璧を目指していると、イライラすることも多々あります。

完璧な自分と現在の自分の間のギャップがモチベーションになるだけならいのですが、

ふがいない自分に思えるときにイラッとしてしまうわけです。

同じように周りのふがいなさにもイラつきますね。

自分を投影しているのだと思います。

結局、完璧を目指す一方では窮屈なんですね。

自分が自分以外の人間だったら、と考えてみればわかります。

ストイックすぎる先輩かコーチのような存在が自分の横に張り付いて、四六時中自分を監視しているとしたら？

ちょっとでも休んだり怠けたりすると舌打ちされて「だからお前はだめなんだ」と責められたら？

窮屈この上ないですよね。

僕が自分にしていたことは、それとほとんど同じだったのです。

50歳からはそういうコーチは返上しようと思いました。

もっと懐の深い『鬼平犯科帳』の鬼平みたいな渋くて温かい師匠につきたい。

すなわち、自分が自分のそんな師匠になりたい。

鬼平はよくいいます。

「ゆるせよ」

そういう彼は自ら先に部下や周りの人間をゆるしているんですね。

僕も自分を「ゆるす」をテーマでやってみよう。

40代は節制に努めました。

飲んだ後でラーメンを食べたりしない。

すでに身についていますが、ほんとうに食べたいときには食べるのを「ゆるす」。

お酒は飲みすぎない、2杯でやめておく。

楽しいときやうれしいときにはいいじゃない、3杯めを飲むのを「ゆるす」。

節制をやめてしまうわけではありません。

節制の快感をすでに十分に知っているわけですから。

習慣化すると、やらないと落ち着かなくなるものです。

でも、ふっと外すときがあってもいい。

そう思うだけで気持ちが軽くなります。

窮屈さが消えるのです。

ストイックなだけでは味わえないもう一つの快感の予感。

「ゆるす」の効用、来週につづきます。

自分をゆるすというテーマ①